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#1
第004回国会 農林委員会 第4号
昭和二十三年十二月八日(水曜日)
    午前十一時四十五分開議
 出席委員
   委員長 坂本  實君
   理事 田口助太郎君 理事 井上 良次君
   理事 圖司 安正君 理事 寺本  齋君
      佐々木秀世君    八木 一郎君
      山口六郎次君    菊池 重作君
      清澤 俊英君    金野 定吉君
      小林 運美君    関根 久藏君
      飯田 義茂君   的場金右衞門君
      加藤吉太夫君
 出席政府委員
        農林政務次官  伊藤 郷一君
 委員外の出席者
        総理廳事務官  吉田 晴三君
        総理廳事務官  土屋 光豊君
        大藏事務官   石田  正君
        農林事務官   最上 章吉君
        農林事務官   青柳 確郎君
十二月八日
 委員中嶋勝一君辞任につき、その補欠として齋
 藤隆夫君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 蚕糸に関する件
    ―――――――――――――
#2
○坂本委員長 これより会議を開きます。
 本日の日程に上つておりまする蚕糸に関する件を議題とし、これに関連する質疑を行いたいと存じます。
#3
○小林委員 まず第一に、一昨年政府は蚕糸業復興五箇年計画を実施いたしまして、その線に沿いまして現在も着着進行中であると考えておりますが、最近海外の事情等によりまして、その当時立てました蚕糸業の復興計画が、その通り進むかどうかということでありますが、これらについて農林省はもちろん、貿易廳あるいは物價廳、大藏省におきまして、その後の蚕糸業計画に変化があつたら一應御説明を願いたいのであります。
 蚕糸業が日本の経済復興に非常に重要な部面を占めておることは言うまでもありません。特に最近單一為替レートを設置すべしという論が内外ともに起つております。從いましてわが國の蚕糸業は、この問題については重大なる関心を持つておるのであります。特に單一為替レートが決定いたしますと、現在政府がやつております蚕糸業五箇年計画の上にも、相当な影響をもたらすのではないかと思います。かような問題につきまして、為替の問題をどうするかということが大きな問題ではないかと考えるのであります。まず最初にこの問題につきまして政府の一應の御説明を願いまして、順次質問を述べて参りたいと思います。
#4
○最上説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。
 蚕糸業復興五箇年計画は、昭和二十一年八月十三日に閣議で決定したのでございますが、その後一昨年及び昨年のアメリカにおける生糸の販賣状況等が不振であつたために、本年二月にこの計画を一年遅らせるようにという関係方面のお話もございまして、初めの五箇年計画を繰下げて実施をしておるような状況でございます。なお日本の経済復興の五箇年計画の一環といたしまして、目下安本におきまして、蚕糸業五箇年計画に対しまして再檢討を加えておるのでございます。これは初めに立てました五箇年計画を根本から変更するのではなくして、その後の開拓関係、その他の需要をにらみ合せて多少の変化はあると存じますが、ただいまのところでは、最初の五箇年計画を一年遅らせ、繰下げをいたしまして実施して参りたいと存じて、なおいま経済安定本部におきまして審議をされております。改訂の五箇年計画が、経済復興総合委員会の審議を経まして、なお関係方面等の承認を得ましたならば、それに切りかえることに相なるわけでございます。なお為替の問題等につきましては、外資部長より御説明願いたいと思います。
#5
○石田説明員 ただいま御質問がございました一本為替レートが設定されましたような場合に、蚕糸関係にどういう影響があるかということにつきましては、大藏省といたしまして、率直に申しまして非常に心配をしておるのでございます。單一為替レートがいつ、どういう形で設置するようになるかということは、國内事情もさることながら、対外関係からいいまして、いろいろとその時期等がきまつて來るかと思いますが、そういう場合に、きまりましたところの相場といいますか、円とドルとの比率からいたしまして、それよりも円のコストが高くつくものにつきましては、輸出補償的な補助金を國家が與えていくことは、國際関係から申しましてだんだんむずかしくなると考えるのであります。その点につきまして、現在の生糸等は割合に円高になつておるという面があろうかと思います。そういう場合におきまして、どういうふうにもつて行くかということは、非常にむずかしい問題であろうかと思うのでありまするが、これは一つの面といたしまして、輸出品の販賣の方のドル價格というものをできるだけ高く賣るといいますか、そういうことによりまして、円の比率をアジヤストしていくことも相当努力して参らなければならないのではないかと考えておる次第でございます。ただ具体的にどういうレートが設定せられるであろうか、そういう場合に生糸、絹織物等の比率がどうなるのであろうかということになりますと、それは具体的の問題になりますので、先行きいろいろ変化もあろうかと思いますので、こまかい数字について申し上げることは現在のところではむずかしいかと考えます。
#6
○小林委員 ただいま農林省当局のお話では、復興五箇年計画は大体基本線に沿つて行くというお話でございますが、はたしてこのまま行けますかどうか、蚕糸業の大部分は輸出に重点を置いておりまして、ただいま大藏省のお話によりましても、為替の問題等がありまして、しかも現在の生糸の関係では円高になつておる。こういうものを單一にした場合には、われわれの蚕糸業に影響するところは非常に大きい。しかも國家的に見ましても、現在の輸出の状況を見ましても、本年の上半期におきましては生糸並びに絹織物の占める輸出の割合は、三割以上になつておるのであります。かようなものが、円高になつておつてほかのものでカバーして行く、輸出の方面でカバーすることもなかなか量的に困難な問題ではないかと考えます。大藏省のお話によりますと、こういうものを心配をしておるけれども、現在具体策がないということでは、まつたくわれわれは困つてしまいます。そこで今大藏省のお話では、為替の補償を、政府の資金等で考えることはむりだとのお話がありましたが、しからばどういう方法でやつて行くか、これは大きな問題でありまして、われわれは過去において糸價の安定を何遍もやつて参りましたが、すべてわれわれ業者の手でやつて参りました。その後われわれの糸價の安定の方法といたしまして、お互に積立金をいたしまして、糸價の変動に備える方法をとつて参りました、最近におきましては價格の差益金等も積立てまして、これを異常の場合に使うべく準備をして來た、しかもその金額が現在においては四、五十億円というものが政府にあるのであります。こういうものを今後もお使いになりますかどうか、その辺の見当を一應お聞きしたいと思うのであります。
#7
○最上説明員 ただいま小林代議士からいろいろお話がございましたが、日本の経済再建のためには輸出の振興が絶対に必要である。そうしてその輸出の振興のためには蚕糸業が最も重大なる役割をいたしておりますことは、ただいまお話の通りでございまして、これがまた一本為替の設置いかんによりましては致命的な打撃を受けることも十分考えられますので、農林省におきましても、蚕糸業の重大使命にかんがみまして、為替の設置等の場合に対処いたしまして、あらゆる方法を研究いたしておるのでございます。ことにただいまお話になりました價格差益金の積立金が、相当蚕糸業会その他にございますので、為替の設置による打撃を免れまして、蚕糸業が健全に復興することに、お互に立つようにするという線に沿いまして、目下関係各廳の間にいろいろ研究をいたし、また協議をいたしておるのでございます。
#8
○石田説明員 為替というものは、御承知の通りに為替レートの問題があるとともに資金の問題もあるわけで、輸入資金をかせがなければ輸入自体ができなくなるのであります。われわれといたしましても、もちろんできるだけ輸出が促進せられるようにということは考えておりますが、ただその具体的な方法をどうするかという問題になりますと、大体一本為替レートをつくらなければいけないというところの一つの見方といたしまして、日本はいろいろな品物について輸出補償金を為替一本レートをつくらないことによつてやつておるというので、そういうものをなくさなければならぬという意見がある、從つて対外関係を考慮する場合には、非常にデリケートな問題があると思つておるのであります。その点から、われわれといたしましてはその諸種の変化に対應いたしまして考えなければならぬというふうに考えておる次第であります。
#9
○小林委員 この為替の問題はなかなかむずかしいのでありますが、われわれは一應こういうことを考えております。この辺はどうか一つ大藏省ではつきりした御答弁をいただきたいのですが、農産物であります生糸が、單一為替レートによつて外國に出て行く、そういつた場合に生糸の賣上げ代金がドルで入つて來る。そういうドルをわれわれの方で相当発言権を持つて使う、そつくりそのままわれわれのドルとして使うことができますかどうか、その点はいかがでしようか、
#10
○石田説明員 御承知のごとく、現在日本が輸出によつて得ましたところの外貨は関係方面の管理下にあるわけで、日本政府の一存で処分するという段階に至つておりません、從つて今の問題につきまして御答弁することは非常にむずかしい立場にあることを御了承願いたいと思います。ただ輸出いたしまして得ました外貨の一部分は、さしあたりなるべく早い機会に、輸出された方々が自分の発意に基きまして、輸入するという方面に使う、あるいは輸出の販路の拡張に使うと、こういうことにつきましては、関係方面の了解が得られますように、目下努力をしておることを御了解願いたいと思います。
#11
○小林委員 われわれの考えておりますことがなかなか困難なことは一應予期いたしておりますが、ただそういうようなことで努力をするとか、関係方面の了解を得てというお話ですが、こういうようなことはそう大した期待は持てない。そこで私は安定本部に対してお伺いをしますが、本年度の繭價は五千六百かけとなつております、これも他の農作物、主として主要食糧であります、米はパリテイーによつて計算をせられておりますが、すでに本年度の米價は相当の値上りを來しております。來年度の繭價も、やはりパリテイーのシステムによつて値段を決定するというような構想によりまして、來年度の繭の値段がきまると思います。そうなりますと、ただいま大藏省の方でお話がありましたように、また蚕糸当局でお話がありましたように、繭價はいままでの考えで参りますと、相当上つておる。七千かけ程度に上るのではないかとわれわれ考えられますが、こういうような高價な原料繭を使いましたものに、生糸生産費を加えました生糸の値段も、相当に値上りを來すと考えられます。ところがお話のような為替の関係で、これも現在のような円高では困るということになりますと、一体それはどういうふうにして解決するか、これは安定本部といたしまして、十分お考えがあると私は考えておりますが、この辺のお考えを詳細に御説明を願いたいと思います。
#12
○吉田説明員 ただいま繭價の問題について御質問がありましたが、來年度の價格決定についてどういうふうにするかということにつきましては、從來のような單純な原價計算、あるいはパリテイー計算でもつて行くことは相当困難である。最近の國際為替一本レートという問題が起ると、どうしても國際價格をさやよせしなければならないという問題がありまして、この点につきましては現在研究中でありまして、ことにこれらの問題については、特に民間の方も入つていただきまして、價格の協議会をつくりましてここで十分檢討いたしまして、適当な方式をきめようということで現在進めておる次第でございます。
#13
○小林委員 ただいまの御答弁によりますとさやよせをして行く、しかも現在考慮中というお話でありますが、すでに農家におきましては、來年の繭の生産につきまして桑園を拡張するとか、あるいは肥料を施すとか、來年の農産物の生産計画を立てて、それによつてすでに着手をしておる。それを來年度の値段が幾らになるかわからぬ、しかも先行きは円を安くして、為替の関係でさやよせをしていくということでは、政府が一定の五箇年計画を立ててやつていく生産計画というものが、怪しくなつてくるのではないかと考えますが、物價廳はもつと眞劍に、この問題について早くしつかりした方針を立てるべきだと私は考えます。この点につきまして物價廳のもつと眞摯な、まじめなしかも日本の経済の復興ということをよく考えて、こういう問題をがつちりやつてもらいたいと思います。なおこれにつきまして詳細なる、もつと大きな力のある御答弁をいただきたいのでありますが、この問題につきまして、農林省はすでに五箇年計画をおやりになつている。しかも農家経済の非常に大きな面を占めます養蚕收入ということから考えまして、ただいまのような安定本部の考え方ではたしていいかどうか、農林省当局はどんなふうに考えますか、この点を價格の問題から特に御答弁を願いたいと思います。
#14
○最上説明員 繭價の問題は、養蚕業者に対しましては、最も重要な問題でございまして、増産が達成せられるかどうかということは、繭價のいかんによつて決定せられることは申すまでもないのであります。同時に生糸が國際商品であるという見地からいたしまして、そこにまた非常な困難な問題が生じるわけですが、農林省といたしましては、養蚕の責任を持ちます以上は、繭價がほかのものに較べて割安であるということでは増産の奬励もできませんので、養蚕奬励の立場から繭價の問題を考えまして、物價廳その他の方面と強力に協議をいたしたいと、かように考えておる次第でございます。
#15
○小林委員 政府ではいろいろ関係方面と、あるいは物價廳、安定本部、大藏省と農林省というようなところで、相談をしてやつて行くという御答弁にすぎないので、はなはだ不満足なのでありますが、かようなことは先ほども申し上げましたように、すでにわれわれ農家におきましても、あるいは蚕糸関係の各業者にいたしましても、先のことをどんどん計画を進めておる。それに対して政府は目下考慮中であるとか、相談をしてやつて行くということでは、われわれはまつたくどうしていいか。これを野放しにしておくなら簡單でありますが、政府が現在いろいろの統制をやつておることによりまして、われわれは政府を信頼している。その政府がそんな弱腰では、実際われわれはどこえ行くかわからぬ、そういう点をもう少し誠意を持つてやつていただきたいと思うのであります。
 もう一つ問題は、先ほども多少触れましたけれども、今後の糸價の安定の問題につきまして政府の御意見を承りたいのであります。すでにわれわれは過去におきましていろいろの糸價安定の策を講じてまいりました。しかもいままでやりました糸價安定の対策は大部分成功いたしておつたのでありますが、今後起ります為替の問題につきましての糸價安定の問題、また價格が需要の変化等によりましてどんなに上つたり下つたりするかわかりません、そういう將來の問題につきましてもどういうお考えを持つておりますか、先ほど申し上げましたように現在四、五十億円の價格差益金がございますが、これらをどんなふうに使つて行くか、また方法をどんなふうにするか、大体の構想がございましたら一應お尋ねを申し上げたいのであります。
#16
○最上説明員 糸價を安定することが日本の蚕糸業の復興のために、またアメリカの絹業の復興のためにも絶対必要であることは申すまでもないことでございます。しかしながらこれは國際情勢の変化その他によりまして、非常に困難な問題があることも事実でありますが、ただいま為替の問題がどういうふうになるのか、あるいは來年度のドル糸價がどういうふうにきまるかははつきりしておりませんので、具体的のことをいろいろ申し上げるわけにはいかないのでありますが、いずれにいたしましても、來年度におけるドル糸價の問題、あるいは為替の問題等がどういうようにきまりましても、この糸價を安定することが必要である。蚕糸業の復興のために必要であることは十分考えておりますので、これにつきましては、あらゆる場合を予想して対策を研究いたしておるのであります。ことに小林代議士が先ほど申されましたように、從來も生糸等の値上りによりまして、價格差益金を糸價安定に使うことは最も望ましいことであり、また必要なことだと考えますので、そういう線に沿いまして目下いろいろ研究をいたしておる次第でございます。
#17
○小林委員 このお考えに関しまして大藏省ではどういうお考えでありますか。
#18
○石田説明員 今ここで、どういうふうにというぐあいに申し上げることはしかねる立場にありますので、その点を御了承願いたいと思います。
#19
○小林委員 いつも大藏省の方で、どんな問題につきましても御答弁を願うような方が見えておられませんことを非常に遺憾と思うのでありますが、蚕糸業のごとく、ただ農林省だけで方針をきめてやつて行くことができない、特に輸出の問題、あるいは為替の問題、差益金の問題等がありまして、これはただ部分的にやつて行くことはできない、総合して考えなければならぬというところから、本委員会においても関係の方々に全部來ていただきまして、同じこの場所で政府のそれぞれの立場から十分な質疑を行いたいというので、先般からこの機会を持つことをねらつておつたのでありますが、本日もそういう点につきまして大藏省から御答弁を得られないことを、はなはだ遺憾と思います。これも係の方がおられないのでは仕方がない、こういう際こそ大藏大臣なり次官なり出席されまして、十分な意見を言つてもらうことが当然であると思いますので、ほかの機会にぜひ総合した考えをお聞きできる機会をお願いをいたしまして、この問題につきましては質問を留保いたしておきたいと思います。最後に私の希望を申し上げておきますが、さきほどらい申し上げましたように、日本の蚕糸業が日本の経済復興に非常に大きな部分を占めておることは、だれも考えておることでありますが、こういうことに対しまして、政府当局が非常に無関心であるということをわれわれは痛感するのであります、ただいまの問題にいたしましても、これらの蚕糸業の將來について非常に大きな問題があるにかかわらず、これらについて各省間におきまして十分な連絡がとれていないことを、はなはだ遺憾とするものであります。今後かような問題につきましては、農林省であろうが大藏省であろうが、あるいは安定本部にいたしましても、貿易廳にいたしましても、こういう問題を十分連絡をとりまして、早くしつかりした対策を立てていただきたいと考えるのであります。これはわれわれがただ個人的に申し上げるのではない、全國民の声であることを十分銘記していただきたいのであります。以上をもちまして私の質問を終りたいと思いますが、なお先ほどらい申し上げましたことにつきまして、幾分の質問を留保して終りたいと思いますが。
#20
○清澤委員 この間から問題にしておりましたが、技術の指導費の補助金として、二十六円の補助金を物價廳の方から、繭の値段の中に入れてあるという、お話がこの間はあつたと思います。その後平田局長に会つてこの話をしますと、そうではなくこれは製糸家の方からこの二十六円は出て、それを糸價にかけて消費者が負担するようになつているのだという食い違いが出ておるのでありますが、どちらがほんとうなのかこれを明確にしてもらいたいのであります。物價廳の方で仮りに繭にその價格を入れてあるというならば、パリテイ計算をした上に一つのこぶとして二十六円をつけておられるのかどうかということであります、平田さんのあとをついでいる岡部さんの方では、これを蚕家に製糸家が出して、そして糸價にかけておるということになりますならば、これはどういうふうにして糸價にかけていられるのか、この金はどこでどう集めて、どういうふうに手続をとつておられるかという点を、明確にしていただきたいと思います。
#21
○土屋説明員 ごく事務的なことでありますから、私から御答弁申し上げます。二十六円の指導費にあててあります手数料は五千六百かけの繭價の中に入つておりませんから、今お尋ねのようにパリテイー計算をしたものの中に、こぶを割込んでいるということはないのであります。從いまして製糸家が繭を買いますときに、繭代金を拂うときにこの二十六円を製糸家が拂うということになるのであります。
#22
○最上説明員 ただいまの問題は、物價廳の生糸及び繭の價格をきめます際に、二十六円を集荷手数料及び技術員の経費として計上されておると承知しております。
#23
○清澤委員 ところがはつきりしないのです。價格はパリテイー計算で五千六百かけできまりました、これで一應價格がきまつている、ところで製糸家が手数料として拂うということです。その拂つたものは指導費として拂うのであるという、そこがさつぱり明瞭でない、拂うならば製糸家がどこの場所でどう拂うかということを聞いているのであります。それがどう集荷されて、その金が集められて、それがどういうふうなぐあいで配分せられるのか、こういうことをはつきりさせておきたいと思います。
#24
○青柳説明員 價格の構成の面から申しますとパリテイーで一應價格がきまりまして、その上にさらに二十六円というものをつけ加えて、そうして製糸家の繭の値段をきめているわけで、從つてパリテイーできめられるものは五千六百円で、代金決済の時期は一体いつかと申しますと、製糸家の買入れの時期に取扱業者に二十六円というものが繭と一諸に支拂われるわけであります。二十六円の内容としましては、二十円が繭取扱者が指導員を設置した場合に、指導員の経費として一應見るのであります。それから六円が純粹の取扱経費というのであります。そういうことで取扱者に対して支拂われることになつておるわけであります。それで今度それにつきまして、全國的に繭の出荷しまする数量と、いま一つは技術員の数などにアン・バランスがありますので、それを中央において調整して支拂つておるというのが現在の状態ではないかと思うのであります。
#25
○清澤委員 そうすると、その價格の取方は少しむりじやないかと私は思う。とにかく繭の値段はパリテイー計算によつて五千六百という根本的形がきまり、その上にこぶを二十六円つけておるというそのこぶはどういう形の上でつけられておるかわかりませんが、はなはだむりなものがそのこぶとして繭價格としてついておるのではないかと思いますが。
#26
○青柳説明員 繭の價格は、パリテイー計算から計算して行きますと五千六百かけであります。それはそのままになつておるわけでございます。それだけ養蚕家に支拂われる、さらにその繭を製糸家に受渡しする際に、取扱いをやつておる人たちに対して、さらにそれに二十六円というものをつけ加えて支拂うという形になるのでありますから、私はむりではないと思います。もしもその五千六百かけの中に二十六円が入つておるとすれば、あるいはその点が問題かもしれませんが、繭の價格は米の價格と同様にパリテイー計算でやつておりますので、その計算から出るのが五千六百かけでありますから、それだけが養蚕家に支拂われると、その五%ぐらいに相当する二十六円が加算されて支拂われるのであります。養蚕家の面から見ればむしろ合理的ではないかと私は考えます。
#27
○清澤委員 この問題は一應了解したことにしておきます。次は、技術員の指導費として約二十円が出ておりますが、税金がかかりますのでたいてい十九円から十九円五十銭ぐらいの計算になるのではないかと思います。そういつて與えられたものが、結局賃金ベース等が年々二倍も三倍も上るとしますれば從つて固定した指導員の俸給というような問題も全体的に上つてくるという関係になりました際に、そこに出ました食い違いは、やはり繭にどこまでもかけてやつていかれる御意思なのかどうか。
#28
○土屋説明員 ただいまの御質疑にお答え申し上げます。ただいまの御質問の内容に二つの点があると思います。それは二十六円をどういうふうに養蚕組合に配分するかという問題と、もう一つは全体平均してみても二十六円では安過ぎるのではなかろうかという二つの問題があります。繭の取扱数量の非常に多い組合でありますれば、收入が多いから指導員の給料も十分だが、繭の取扱が少い組合につきましては、收入は少いために非常に経費がやりくりができぬという実状だろうと思います。この点につきましては、これをどういうふうに縣ごとに配分するか、縣までの配分の仕方は農林省の蚕糸局の方で御配慮がございまして、これを役所が勝手にきめることはよろしくなかろうという観点から、特に蚕糸業の関係の業界の方に委員を出していただきまして、その委員会の決定によつてその配分をきめられたと思つております。その配分の方法は、指導員の人数に應じて配分するのを五〇%、他の五〇%は繭の出荷数量に應じて配分する、こういうふうにたしかなつたと思います。その結果は繭の取扱いの少い組合に対しても、技術員の指導員の設置されております人数によつて配分されるものが五〇%ございますから、非常に救われるわけでございます。この点については設置してある指導員の人数による配分のウエートをもつと高めた方がいいという御意見も出ておつたようでありますが、先ほど申し上げましたように、選出されました業界自身の代表の会議によつて五割ということになつたと思います。その点によりまして、少しの繭の取扱いしかない組合でも、よけいのものがもらえるということになつておるわけであります。
 第二の点は、平均しての二十六円では安過ぎはしないか、一般に賃金ベースもだんだん上つてきておるから、指導員の給與もそれだけ拂わなければならぬが、これは二十六円では平均額に足りないのだという御意見であると思いました。それは物價廳といたしましては、今の二十六円を製糸家の買います繭原價の中に織り込んだということが、非常に何と申しますか努力した結果が見えておるのでありまして、一方これに対する反対としては、養蚕の指導のための費用は養蚕家自身が負担すべきものではないか、養蚕家がよい繭をつくるのは、養蚕家が自分で努力すべきものである。それを糸の中にその給與を織り込んで、その金で指導員を置くことはおかしいではないかというような意見もあつたわけですが、アメリカ式の近代的な農業生産であれば、当然そういう議論が起ると思いますが、わが國はそうではない、日本の養蚕、製糸業の從來の状況からすれば、これは生糸の中に織り込まなければならぬのだと説明いたしまして、それならば今回に限つて二十六円は入れるということできまりまして、從いましてその後物價が上つておるので、二十六円をさらに上げて糸の値段を上げるということは、從來の経過から見ても困難なことだと思います。
#29
○清澤委員 ちよつと質問に触れておらぬような点もありますから、もう一度同じことを繰り返します、蚕糸局長にお伺してみたいと思います。私のお伺いしているのは、この組合をお作りになるときは、縣の蚕糸課や農林省の御指示もあつたと思いますが、こういう補助金が行くんだからひとつ組合をつくれという御指導であつたと思われる。そうやつてできたものを、この十二月になりますれば、すでにベースが上つたら出さなければならない、そのときに、養蚕家が出して入れるか入れないかは重要な問題で、その場合はどうなるかと聞けば、今物價廳の方では、これは当然養蚕家が持つという考え方から、今年限りで來年は持たない、こういうことになりますと、これは重大問題だと思います。その点に対しまして蚕糸局長さんのはつきりした御意見をお聽きしておかなければ、われわれが養蚕販賣協同組合をどうするかというせとぎわに立つと思います。これは重大な問題であろうと思います。ひとつはつきりした御返事を願いたいと思います。
#30
○最上説明員 ただいまの御質問でございますが、技術員の設置に要する費用につきましては、從來繭價の方に計上しておりましたが、技術員の設置に要する経費の問題は、技術員の待遇あるいは身分安定の問題のために最も重要な問題でありますので、この点につきましては何らか物價廳その他と折衝いたしまして、円満な解決をするようにいたしたいと考えております。
#31
○清澤委員 ただ物價廳と相談して何とかすると言われる物價廳の方では関係方面の意向もあるので、これは自主的に生産者自身の農民が、自分自身の技術を向上するために支出すべきものだと言つておるところえ、なんとかしようといつてもできないことはわかつている。それが一つ、いま一つは養蚕販賣協同組合を中心にしまして問題になりますことは、小林君が述べておられる通り、為替の問題を中心にして、非常に円高の中に生産しておる蚕糸業が、一本レートにでもなりますならば、より以上困難に遭遇して來ることはわかつておるのであります。しかもそれに追いつく方法としましては、競爭相手でありますナイロン等は工場生産でありますから、單位生産價格というものは樂に出せると思います。從つて繭で糸をとります製糸業に対しましても、私は工場生産であるから、これも努力によりましては一つの單位生産をさげて行くという方法も考えて行けますが、一番元であります養蚕の生産が非常にばらばらになつている。耕地関係におきまして生産をしておりますならば、結局出てきます繭は、生産の上でばらばらのものができ上る、こういう場合に非常な不利な立場にある蚕糸業一体として、生糸の値段がうまく行かないということになれば、繭の値段もうまく行かないことになります。小林さんが言う通り、非常に惡條件に置かれる耕地を持つておる方面におきましては、蚕糸業は絶対にできないということが、はつきりわかつておりますならば、養蚕販賣協同組合というものも、何ゆえに生産協同組合をつくらなかつたかとわれわれは考えております。私どもの方では、この間も農政局長が言うておりますが、許可を受ける便利上からか、何かの都合上ではなかつたかと思いますが、そういう面において販賣協同組合をつくり、現在の協同組合が販賣上のいかなることをやつているかというと、何にもしておりません。販賣手数料のごときは單位協同組合に入つてみたり、あるいは個人の旧來からの繭の取扱業者の所に入つてみたり、何も入つて來ない農民はただ金を出し放しという、そんなことで、ほんとうの協同組合が持つて行けるかどうか、そして困難に当面しているところの繭の生産價格を下げるという生産上の一つの技術なり、経済なり、本当の指導がやつて行けるのかどうか、私どもは大きな疑問を持つております。どうしてこういう組合をこそこそとつくられるかを、われわれは考えざるを得ないのであります。しかもさつき物價廳で言われまする二十六円の技術指導費をわけます際には、政府でわけるのではなく業者をして別けさせるという、その業者というのはおそらく養蚕振興会というあの委員会のことをさしているのではないかと思われるのでありますが、業者をしてわけさせて、人員によつて五〇%供繭率によつて五〇%の補助をしているのだと言われるが、その業者なるものがほんとうの養蚕業者から出ているものかどうか、私は養蚕業者から出ていないと思います。これをはつきりさせていただきたいと思います。
#32
○八木委員 この際議事進行について動議を提出いたします。この際お手元に配られております蚕糸業安定緊急対策に関する決議を議題とされ、決議が終了後に質疑を継続せられ、本委員会はこれを蚕糸業に関する打合会に切りかえられまして、蚕糸業代表者の意見陳情を許可せられたく、また本件に最も関係の深い通貨対策委員の苫米地英俊君より、為替レートと蚕糸業に関する問題の説明を求めまして、懇談打合せを続けられんことを望みます。
#33
○坂本委員長 清澤君の質疑に対する答弁を政府側より求めます。
#34
○最上説明員 ただいまの技術員の設置に要する経費の配分の問題でありますが、これは全國の各養蚕團体の代表者も入りまして、この経費の配分はきまつておるのであります。それから第二の販賣協同組合の問題でございますが、これは生産と販賣を一諸にしたような連合会をつくることがおもしろくないということで、販賣養蚕の協同組合をつくつたと承知しておりますが、ただいまいろいろお話がございましたが、養蚕農業協同組合としましては、やはり販賣業が最も大きな事業でございますのでそういうことになつたと考えるのでございますが、なお農業協同組合の育成につきましては、わが國の今後の農村のありかたとして最も重要なることと考えますので、農業協同組合の育成につきましては、農林省としては全力を盡して、健全な発達をうながしたいと考えるのであります。
#35
○清澤委員 この決議を済ませるまで、質問を留保いたします。
#36
○小林委員 先ほどから蚕糸業に関する緊急対策につきましていろいろ御質問がありましたので、本農林委員会としまして蚕糸業安定緊急対策に関する決議をいたしたいと思うのであります。決議の理由を一應説明いたしまして、御決議を願いたいと思うのであります。吾國の蚕糸業は、農業の経営においてまた纖維産業として、きわめて重要なる地位を占め、生糸は輸入物資の見返りとして、外貨獲得の巨擘としてはたまた國内纖維資源として、戰後日本経済の再建、國民生活の安定に欠くことのできない物資であつて、今後蚕糸業の安定なくしては、日本の再建は絶望と称するも過言でないのであります。政府は一昨年蚕糸業復興五箇年計画を樹立して、繭及び生糸の生産確保のため各種の施策を講じて來たので、蚕糸業者も生産上の惡條件を克服して蚕繭及生糸の生産確保に努め、政府の計画に副ひ來りたるところであつて、本年一月以來生糸の輸出は好轉し、他面食糧事情の緩和は繭の増産に影響をもたらし、本年の産繭は政府の樹立した生産計画を突破するの実情にあり、また生糸の生産も好調を続け、蚕糸業も復興の緒につかんとする時に際し、日本経済の確立をはかるため対米為替レート設定の議が起りつつあり、これが円との比率並びに為替レート設定の時期について、その決定いかんによりては養蚕業者は繭の生産不能に陷り、製糸業者は繰業不可能に陷ることは必至にして、蚕糸業破局の危機に直面して來ることは明らかであります。ここにおいて蚕糸業のこの難局打開の方途は、一に政府の蚕糸業安定対策決定のいかんにかかつているのであります。その方途としては、蚕糸業安定制度を法律化するか、外貨の援助または輸出総價格プール制等とるべき処置は幾多存するものと考えます。蚕糸業安定対策実現不可能の場合は、養蚕業は農村より其の影をひそめ、製糸業は纖維産業として存立の資格を失い、わが國の蚕糸業はここに破滅に瀕する重大危局に直面し、日本経済再建のためまことに深憂するところであります。よつて本件に関しましては、本委員会といたしまして緊急対策の決議をいたしたいと思うのであります。決議文を朗読いたします。
   蚕糸業安定緊急対策に関する決議
  蚕糸業の振興を図かり生糸の輸出を増進することは現下我が國経済再建のため絶対の要件である。
  然るに対外為替レートの設定の如何によつては蚕糸業は壞滅の危機に瀕する。
  仍つて之れに對處するため政府は速かに繭糸價格の安定を骨子とする蚕糸業安定制度を確立すべし。
 右決議する。
以上でございます。同僚委員諸君におかれましては、満場異議なくこの決議を御採択願われんことをお願いいたしまして、私の説明を終ります。
#37
○坂本委員長 お諮りいたします。ただいま小林運美君から提案になりました蚕糸業安定緊急対策に関する決議ならびにその決議文につきましてこれを承認するに御異議はありませんか。
#38
○坂本委員長 御異議なしと認めますよつてさよう決定いたしました。
 さきに八木一郎君から動議の提出がありましたが、この際本委員会を打合会に切りかえまして、さらに蚕糸に関しまする諸般の懇談を進めたいと思いますが御異議ありませんか。
#39
○坂本委員長 御異議なしと認めますので本委員会はこれにて終り打合会に入ります。
    午後零時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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