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1948/12/11 第4回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第004回国会 農林委員会 第6号
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1948/12/11 第4回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第004回国会 農林委員会 第6号

#1
第004回国会 農林委員会 第6号
昭和二十三年十二月十一日(土曜日)
    午前十時五十五分開議
 出席委員
   委員長 坂本  實君
   理事 田口助太郎君 理事 井上 良次君
   理事 圖司 安正君 理事 寺本  齋君
      中嶋 勝一君    野原 正勝君
      清澤 俊英君    金野 定吉君
      小林 運美君    鈴木 強平君
      飯田 義茂君   的場金右衞門君
      松澤  一君    加藤吉太夫君
 出席政府委員
        農林政務次官  伊藤 郷一君
 委員外の出席者
        農林事務官   安孫子藤吉君
        專  門  員 片山 徳次君
        專  門  員 岩隈  博君
    ―――――――――――――
十二月十日
 食糧管理法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一六号)
 岩松町の甘藷澱粉工場建設助成の請願(井谷正
 吉君外八名紹介)(第四〇号)
 九州地方の干拓事業促進の請願(的場金右衞門
 君紹介)(第六七号)
 保有甘藷に対し生産者價格と消費者價格との差
 金を生産者から徴收する制度廃止の請願(河合
 義一君紹介)(第七〇号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 食糧管理法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一六号)
 農政方針に関する件
  請願
 一 木工業從業員に労務加配米配給の請願(荊
   木一久君外一名紹介)(第三号)
 二 山口縣の松樹害虫防除費國庫補助の請願(
   中嶋勝一君紹介)(第一二号)
 三 國有林矢櫃山拂下の請願(山本猛夫君外一
   名紹介)(第一三号)
 四 北海道における土功組合の更生に関する請
   願(北二郎君外二名紹介)(第二三号)
 五 石狩原野開発促進に関する請願(北二郎君
   紹介)(第二四号)
 六 品井沼水害予防組合所有の農地外土地建物
   並びに農業用施設買收に関する請願(竹谷
   源太郎君紹介)(第二五号)
 七 北海道土地改良軌道客土事業施行の請願(
   北二郎君紹介)(第二六号)
    ―――――――――――――
#2
○坂本委員長 ただいまより会議を開きます。
 日程第一、食糧管理法の一部を改正する法律案、内閣提出第一六号を議題に供し、まず政府より提案理由の説明を求めます。伊藤農林政務次官。
    ―――――――――――――
#3
○伊藤(郷)政府委員 大臣にかわつて提案理由の説明を申し上げます。
 食糧管理法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。食糧配給公團は御承知のごとく昨年暮第一回國会で御承認を得ました食糧管理法の一部を改正する法律に基き、本年二月二十日設立されたのでありますが、同公團の基本金は当時の國家財政の事情から八千万円に決定せられたのであります。そもそも食糧配給公團の基本金は、その定款にもございます通り、什器、備品の取得、及び常備在庫品の購入以外の用途に使用することは許されないことになつておるのでございますが、全國約一万五千に上る配給所を包含いたします食糧配給公團として、わずか八千万円の金額では、常備在庫品の購入はおろか、日常の配給に必要な資材を整備いたすことすら困難であるのであります。事実同公團は設立後一年の歳月をけみせずして、もはや当初の基本金八千万円をすべて使用し盡し、すでに本年度第三・四半期に割当を受けた自轉車、はかり等の購入すら不可能となつておる次第であります。本米穀年度より二合七勺基準への増配が実施せられたのでありますが、これに伴いまして公團の業務能力も一層整備を必要とする実情にありますので、政府といたしましても至急これが対策を講ずるの必要があると認めて、とりあえず同公團の基本金につき五千万円の増額をいたすこととし、ここに食糧管理法の一部を改正する法的措置を講ずることとした次第であります。
 以上のごとき事情にございますので、御審議の上、至急御可決賜わらんことを希望いたす次第であります。
#4
○坂本委員長 ただいま政府委員から説明がありましたが、これに対する質疑を行います。清澤俊英君。
#5
○清澤委員 関連してちよつと質問しておきたいと思うのであります。大体事件は一應片づいておるのでありますが、先般來各地方公團で、営團から公團に移ります際の資産処理に対して、職員に配分金をしたという刑事事件等が起きておりますが、この配分した金は、どういうような性質の金であつたかということが一つ。それからその配分しました金額の総額は全國でどれくらいになつておるか。第三点は、こうやつて配分しましたが、おそらくこれは全國一律の配分でなく、一部は配分したが、一部は配分しなかつたというようなことがありはしないかと考えます。それがあつたとすれば、その後の処置の状況によりますと、もらつた者得、もらわぬ者損というようなかつこうになつておりますが、これらの点に対する御見解はいかがでございますか。この三点に対して簡單に御質問いたしておきます。
#6
○安孫子説明員 公團切替えの際の退職金等の支出方につきまして、問題の起りましたことは御指摘の通りであります。いろいろ檢察当局においてもこれを檢討いたしました結果、十三営團について今刑事問題になつておるわけでございます。一部公判を開かれておるのもございます。その総金額につきましては、ただいま資料がございませんので、適当な機会に調査をいたしまして、総金額は御答弁を申し上げたいと存じます。なお支出されました金額の処置につきまして、これもただいま檢察当局と善後策について私どもの方で打合せをいたしております。これが大体確定を見ましたならば、また御答弁申し上げたいと思います。
#7
○清澤委員 ちよつと大事なことでありますが、わけました金は、どういう性質の金をわけたのですか。
#8
○安孫子説明員 営團の剩余金から支出いたしております。
#9
○的場委員 この機会にちよつとお尋ねしておきたいのであります。供出の関係の問題ですけれども、自家保有にも満たない小さな農家が、供出をしいられて、そのために供出價格と消費者價格との間に非常に開きのある高い價格で配給を受けておる実情にあるのですが、これについて食糧管理局としてはどのような指導がなされておるのでありますか。またどういう取扱いにする方がよいとお考えなのですか。どうも法律制度に規定されてある通りの取扱いでないように考えられますが、農村のすみずみに行きますと、われわれが考えていることとは非常に違つた取扱いがなされている。かわいそうな一、二箇月の食糧しかない者にまでも供出を強要しておる。さらに困窮な者がいじめられているような実情になつておるのであります。これはそういうことはないとおつしやるかもしれませんが、そういう事実が各地にある。今の供出制度というものはそんな制度ではないのではないか、自家保有をとつて残りのある者が供出をしなければならぬのに、食うだけない者が供出をするというような指導がなされておるのか、また管理局としてはこれに対してどのような取扱いをしようとなされるのか、この点をひとつお伺いしておきたいと思います。
#10
○安孫子説明員 ただいまお話の通り、年間の食糧を補給できないような農家につきましては、御指摘の通りに、生産高から保有高を差引きまして、供出の能力のない農家に対しては割当をいたさない方針でやつております。從いまして、かかる一部保有農家に対しましては、生産價格でもつて買い上げ、消費者價格をもつて配給をするということはあり得ないはずでございます。ただ地方の実情におきまして、末端においては農業規模がいろいろ変更いたしました際に、それに應じた事務的な処理が不完全であるために、そういうものがあるいは出ておるのかもしれません。そういうことはないように、規則の精神もそうでありますし、指導といたしましても、そういうことはないようにする方針であるわけであります。
#11
○的場委員 お話の通りでなければならぬのですけれども、ついこの前も私ども愛知縣、滋賀縣等に視察に行かしてもらつて、向うの農村で聞きましても、また私どもの郷里の農村で聞きましても、ただ自家保有に満たない程度の收穫しかなかつたものにも、供出をさせなければ、ほかの者にむりが行くからというようなことを言つて、供出を強要されております。それがあたりまえだというふうに取扱者も考えておるようであります。これは從來特にそういうことについて、こんな扱いをすべきものであるというような指示でもなさつたようなことはないと思いますが、その点を是正するために御指導なさる御意思があるのかどうかということを、ひとつお伺いいたしておきたいのであります。それから、私どもは災害の調査に行つたのでありますが、災害があつたために、最初の予想の通りの收穫がなかつた。けれども供出の割当は訂正はいたさない。かようなことで、供出の割当の訂正をしてないものですから、非常なむりな供出をさせられて、大きな農家もみな自家保有を割つて、数箇月は配給を受けなければならぬ、かような町村も多数あるわけであります。これは食糧確保臨時措置法の中にも、災害があつたら、その場合には減免をするということが明らかに規定されておるのであります。それなのに、これを減免をしない。またそうした保有量の足らない者にも供出を強要するというようなことであれば、法律とか規則とかいうようなものは、むちやくちやではないかと思う。まつたくそのときどき、自由に管理局でやられるのか、どこでやられるのか知らないけれども、供出を早く完遂したいとか、あるいは供出の成績をよくしたいとかいつたようなことのために、農民は非常な苦しみを受けておる。こういうようなことになつておるのでありますが、もう少しその辺をはつきりさしてもらえないものでありますか。災害があつたら、はつきりしておるのだから、その災害に應じて、收穫量が減つたそれに対して、供出というものはさらに割当をやりなおす、減免をする、不足をする農家に対しては供出の強要をしない、こういうようなことは、はつきりと御指導になつたらどんなものかと思うのですが、その辺ひとつ私どもの納得の行くように御説明願いたいと思うのであります。
#12
○安孫子説明員 保有農家に対して割当を強要しておる事実があるが、これに対する当局の方針はどうかという点でありますが、さようなことは適当ではないと考えますので、ただいま御指摘になりましたような縣につきましては、十分注意をいたしまして、さようなことがないようにいたしたい、かように考えます。それから補正の問題であります。災害があれば補正するのが当然でありますが、十分でないというお話でございます。もちろんその点もありますし、また逆に申しますと、補正をいたされました数量が、端的に申しまするならば、全般的の状況から申しまして、補正をしないでよい農家にも補正をしておるという事実もあります。この辺はこれを最も有効適切に補正をして行くことが必要であると考えまするので、これの末端におきまする適正な補正のしかたについては、十分今後も指導して参りたい、かように思います。災害の程度、收穫量に対する認定の差というものは、これはなかなかめんどうでありまして、いろいろな調査をいたしましても、おのおのがみな違つて参ります。私どもといたしましては、これを最も公正に決定いたしたい、かように考えまして、各方面の資料を十分総合いたしまして、補正を決定しておるわけでございますが、実情から申しまして、その補正の十分でなかつたという御批判は、私どもも十分承知もいたしておりますし、最近におきまして実收高の調査が発表になると思いまするので、この結果を見合せまして、またその善後措置を講じて参りたい、かように考えております。
#13
○的場委員 もう一つお尋ねしておきます。災害補償――農業保險の掛金の一部を消費者負担ということに昨年度はなつておつたようであります。今年はそれが省かれておるように聞きますが、消費者負担をなくされた理由はどういう理由でなくされたのでありますか。その消費者負担にあたるべき分については、別に予算処置ができておるのでありますか。その点をお伺いいたします。
#14
○安孫子説明員 消費者の家計上の問題も考えまして、なるべく消費者價格は高くしたくないという意図から、この負担を消費者負担によらなかつたのであります。この金額につきましては、大藏省とも話合いをいたしまして、一般会計の方からいずれ繰入れしてもらうというような話になつております。
#15
○清澤委員 ちようどこの機会に、栃木縣の超過供出のことについてお伺いしてみたいと思います。栃木縣においては、供出後地方補正をいたしまして、超過供出の割当をやつて、その割当を拒否する場合には、強権発動を行う、こういうようなことが言われておるのであります。すでに二千石割当が來ております。この事実は食糧措置法から参りますれば、あり得ないことだと思いまするが、御見解はいかがでしよう。
#16
○安孫子説明員 ただいまの法制のもとにおきましては、さようなことはあり得ないと考えます。
#17
○清澤委員 多分何かの間違いじやないかとは考えておりますが、もしこういう事実がはつきりあるとしたら、すみやかに御処置を願いたいと思います。
#18
○的場委員 農業災害保險の関係のことをひとつお尋ねしておきたいと思います。今農業災害の保險は、家畜の方も米麦の方も一緒に、一本になつて実施されておりますが、家畜の方はこれは自由加入で、強制されないというのですけれども、米麦の方は加入は強制されて、強制加入になつておるようであります。ところがその米麦の方は、非常に掛金が高いので困つておるような状態で、これを人件費だけでも政府が負担して、災害の多いわが國の米麦について補償をしてやるような――あまりに掛金が高過ぎるので、緩和するようなことについて何かお考えになつておるのでありますか。ひとつこれを管理局あたりでよくお考え願つて、これに從事する職員の俸給ぐらいは政府の方で出してもらつたら、相当緩和されると思いますが、この点何かお考えになつておられるのでしようか。これを伺います。
#19
○安孫子説明員 ただいま格別具体的に研究もいたしておりませんし、打合せもいたしておりませんが、お話の点については、農業保險課等とも十分連絡いたしまして、研究いたします。
#20
○加藤(吉)委員 ちよつとお聞きしたいのは、麦の事前割当は済んだと思うておるのですが、昨年度と今年度の割当が、量において増額されたに違いないが、どのくらい増額されたか、ちよつとお聞きしたい。
#21
○安孫子説明員 概数でございますが、もし非常に違つておりますればいずれ訂正いたしますけれども、本年の麦の割当は大体二千九万石昨年は一千九百万石でございましたから、約百万石増加いたしました。
#22
○加藤(吉)委員 それは反別がふえたから、増額になつたのでありますか、その点を伺いたい。
#23
○安孫子説明員 大体において、肥料増による増收を見ております。
#24
○加藤(吉)委員 そこで肥料の生産面から行きますと、当然割当がふえれば肥料もふえなければいけないのに、そういうような肥料の生産成績から見まして、そういうことが妥当であるかいなかということが案じられるのですが、そのお見込みはどうなのですか。
#25
○安孫子説明員 昨年よりも本年は、肥料はよくなつておりますし、本年の麦作に対しての必要な肥料は、十分確保できる見通しを持つております。
#26
○加藤(吉)委員 次に超過供出米について、指示を各府縣に出されたそうですが、大体において匿名供出の指示があの通りであるならばわれわれも賛成でありますが、あのやり方で匿名供出をやらせると、その匿名供出に対して、どうして課税するかということを御説明願いたいと思います。
#27
○安孫子説明員 超過供出の数量を各縣に指示したということは、何かのお間違いではなかろうかと思います。さようなことはいたしておりません。
 それから匿名供出と課税の問題でございますが、実は端的に申し上げますと、匿名供出は税法上、源泉課税をとることによつて大きな意味を持つものであります。しかしなお來年度の割当に対しまして、匿名にしておいた方が、農民心理といたしまして、重い供出がかかるであろうという心配をなくする意味の匿名供出の意味も多少あるわけであります。いろいろ税法上の問題につきましてはその後折衝いたしましたが、源泉課税は困難であるという結論に到達いたしましたために、匿名供出の大きな意味は失われたと存じます。ただ農民が超過供出をいたしましても、匿名の形態をとつておりますために、多少とも心理的に、本年超過供出をしましても來年度においてそれが事前割当についてかぶされるという危惧の念を、多少とも緩和するだけの役目は果すんじやなかろうか、かように考えております。
#28
○加藤(吉)委員 匿名供出については、福井縣におきましても、各部落で部落代表者に超過供出の指示を與えて、そうしてある部落の代表者が代金を受取る、供出もする、こういうふうに承知しておるのですが、その超過供出米の供出方法について、何ら指示したことがないのですか。
#29
○安孫子説明員 超過供出の方法については指示いたしました。それはお話にもございましたように、部落等におきまして代表者を定めまして、その代表者の名義によつて政府に賣る。從つて政府関係の一切の帳簿には、超過供出をいたしました個人の名前は出て來ないというような仕組みにいたして、これを通達いたしております。
 それから先ほどちよつとお話がございまして御答弁申し上げなかつたのでありますが、税金の関係はどうするか。これは超過供出をも含めまして、農家所得につきましては申告制度をとりまするために、匿名制度をとりましても、現在の税法の関係からは本人の申告によつて課税がされるというために、大きな矛盾はなかろう、かように思つております。
#30
○加藤(吉)委員 奬励金並びに超過供出米に対する課税の点でありますが、大体食管もしくは農林省当局が、この課税を全廃もしくは三分の一にするということは、前内閣時代から主張し続けたことでもあるし、またわれわれ農村側でも要望して参つた次第であります。私が不可解とするところは、農林省がそういう方針に傾いておりながら、大藏省との折衝において、税法に違反するからその点は主張しかねるということは、これは半年も一年も前からわかり切つたことであるにもかかわらず――ただ地方團体が大藏省へ陳情に行くのとは違つて、農林省として、税法に行き当るからできないのならできないという処置を講ずべきであるにもかかわらず、その間においていささかの熱意もなし、積極性もない態度を私はすこぶる遺憾とするところであります。こういう点を現在百姓をしている人々が望んでおるのにかかわらず、税法に行き当つたからそれはごめんだ、うやむやにしておくよりほかはないというような今日の態度でありますが、その点について御答弁を願いたいと思うのであります。
#31
○安孫子説明員 農林省といたしましては、源泉課税にすることが大きな主張の一つであつたのでありますが、これは大藏当局とも十分なる討議をいたしたのであります。そうして私ども主張をいたしたのでありますが、遂に満足な結論を得られなかつたことは、はなはだ私どもといたしまして恐縮いたしておるわけであります。今後ともそういう方向については努力して参りたい。かように思つております。
#32
○加藤(吉)委員 その行き詰まつた原因である税法を改正するという点について研究中であるか、折衝中であるか、どういうお考えで大藏省と折衝なされておるのか。そうでなければ農林省が大藏省へ折衝するのと、地方團体が大藏省へ陳情するのと同じことになつてしまう。そういうずぼらな、誠意のないやり方は私は感心しないので、この点についてどういう方法で打開して行こうとするか、お考えをお聞きしたい。
#33
○安孫子説明員 やはり現在の税法に例外規定を設けるよりほかなかろうかと思います。この点についてはそういう意味でいろいろ今後の問題として折衝を続けて参りたいと存じます。
#34
○加藤(吉)委員 次に米の事前割当はいつやられるのですか。
#35
○安孫子説明員 大体今月の下旬には知事会議を開いて決定したいと考えております。
#36
○加藤(吉)委員 二十四年度の米の事前割当は非常に重大な問題ですが、大体その御説明を承りたいと思います。
#37
○安孫子説明員 実は昨日もそのためにたいへん遅刻いたして参つたのでありますが、先般各縣から関係の方々に來ていただいて実情を聽取し、それに基いてただいま連日原案をつくる作業をいたしておる最中でありますが、まだ結論を得ておりません。
#38
○坂本委員長 本件に関して別に御質疑はありませんか。――御質疑がないものと認めて質疑を打切ることに御異議ありませんか。
#39
○坂本委員長 御異議なしと認めます。
 ただいま議題となつております食糧管理法の一部を改正する法律案については、討論を省略して採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
#40
○坂本委員長 御異議なしと認めます。ただちに採決いたします。
 食糧管理法の一部を改正する法律案、内閣提出、第十六号を採決いたします。原案賛成の諸君の起立を求めます。
#41
○坂本委員長 起立総員、よつて本案は可決いたしました。
    ―――――――――――――
#42
○坂本委員長 次にお諮りいたします。第三國会以來当委員会におきましていろいろ委員各位の御意見を伺つたのでありますが、これをそれぞれとりまとめまして、政府に対する申入れ事項といたしまして、これを政府に要望し、なお政府の所見をただしたいと考えております。ただいまお手元に配付いたしました申入れ事項案を御覧願います。この際この申入れ事項を專門員から朗読いたさせます。
    〔片山專門員朗読〕
   申入事項(案)
  衆議院農林委員会は第三國会以來農政上の諸問題に関し、政府委員との質疑を通じ、或は現地調査を行い、國会の立場より愼重審議を遂げ、政府に対し諸案件の解決の促進に努力を拂い來たりたるも、尚幾多の重要事項に亘り、未解決の点を残している。時たまたま我が國経済は、インフレーシヨン收束の決定的段階に際会し且つ対外為替設定を目捷に控え、農業を繞る客観状勢を茲に一変の趨勢にあるので、政府は速やかに之が根本方策を樹立し、以つて我國農業復興に格段の構想を要請されているにも拘らずその施策は稍こもすれば目前も糊塗し、或は法律違反を敢てする等、行政の粉乱甚だしく、農民に與うる影響きわめて大なることは甚だ遺憾とするところである。ついては政府はこの際経済再建に演ずる農業の重要性に鑑み、左記各項に関し、不拔の方策を樹立し、併せて積極果敢に之が具体化の措置を講ぜられるよう要請する。
  昭和  年  月  日
        衆議院農林委員会
    左 記
 一、食糧確保臨時措置法に基く中央農業調整審議会は之を決議機関とし、関係法規を改正すること。
 二、農業災害の結果食糧事前割当数量の供出不能となりたる農家に対しては、食糧確保臨時措置法第八條に基きて減免の措置を講じ、且つ轉落農家に対する還元米の手当に遺憾なきを期すること。
 三、食糧管理法中憲法違反の疑いある第九條等の條項並びにこれに関連ある政令等については速やかに改廃の措置を講ずること。
 四、農繁期加配並びに自家用味噌醤油の原料用として一定量の食糧を確保するよう関係法規を改正すること。
 五、農業共済掛金の消費者負担金額についてはこれを一般会計より遅滯なく補填する措置を講ずること。
 六、農業災害補償について共済事故の範囲を拡大し、且つ共済金額の引上を行うよう関係法規を改正すること。
 七、主要食糧の價格については第二國会の院議の線に沿い、國会の意志を尊重しこれを決定するよう速やかにその措置を講ずること。
 八、單作農家及び畑作專業農家の経済的劣勢を考慮し、割当量並びに保有量に関して調整の措置を講ずること。
 九、超過供出数量は之を次年度の増加割当の基礎とせざる法的措置を講ずること。
 一〇、食糧檢査を励行し、配給品種の配合に工夫し、食糧配給公團の運営内容を檢討し、末端機構の改善を図る等消費者の負担軽減に努めること。
 一一、早場米奬励金並に超過供出代金に対しては速やかに課税の特例措置を講じこれを公表すること。
 一二、市町村に立法措置による民主的納税委員会仮称を設置し、申告課税の適正を期すること。
 一三、所得標準率はこれを速やかに公表周知せしめること。
 一四、災害農家に対しては災害の実情に即して課税減免の措置を講ずること。
 一五、農業協同組合連合会の組織形態は、農業協同組合法の立法精神に則り單営なると総合経営なるとに拘らず農民の自由にして自主的なる選択に委ね、資産の讓渡等に関してはいやしくも差別的な行政措置を採らざること。
 一六、農村より吸收せる預貯金はこれを一定率農村に還元する原則を確立し農業金融の自主性を図ること。
 一七、食糧管理特別会計の收支の多寡に應じ農林中央金庫との貸借を自動的に行い、農業資金の運用を円滑に行い得るよう措置すること。
 一八、農業手形制度の適用範囲を拡大し、手続を簡素化すること。
 一九、農地改革に伴う賣渡代金を農村資金として還元する措置を講ずること。
 二〇、第二次農地改革に関する未処理事項を促進すると共に速やかに農地交換分合に関する立法措置を講ずること。
 二一、次回追加予算中に公共事業費の粋を拡大し、復旧資材の増配を敢行し、速やかに災害の復旧に努めると共に、農地改良事業の進行速度を促進すること。
 二二、造林事業の推進を図るために造林資金を潤沢ならしめ、且つ金利の引下を図る措置を講ずること。
 二三、蚕繭價格は米價の改訂に伴い自動的に均衡價格を保持するよう改訂の措置を講ずること。
 二四、一本為替レートの設定に当り蚕糸業に與うることあるべき影響を考慮し、糸價安定対策を講ずること。
 二五、農地委員会、農業調整委員会、農業共済組合の事務費の全額國庫負担を実現し人件費は一般官吏の標準より低くないベースで予算を編成すること。
 二六、食糧事前割当の基礎となる地力並びに繩延び調査等に関する法的措置を講じ、速やかに國の業務として之を完了すること。
 二七、政府の発する命令、通達、告示其の他関係資料等については國政審議に遺憾なきを期するため一切之を遅滯なく國会に提出すること。
#43
○坂本委員長 ただいま專門員から朗読いたさせました申入れ事項案につきまして、委員各位の御意見を求めます。ちよつと速記をやめてください。
#44
○坂本委員長 それでは速記を始めてください。
 この際お諮りします。この申入れ事項につきましては、これを確定することに御異議ありませんか。
#45
○坂本委員長 御異議なしと認めます。從いまして本申入れ事項は、ただちにこれを政府に対しまして要望をすると同時に、この申入れ事項各項に対しまして、文書をもつて回答を求めることにいたしたいと考えます。
    ―――――――――――――
#46
○坂本委員長 次に本委員会に付託されました請願につきまして御審議を願いたいと存じます。
 第一、木工業從業員に労務加配米配給の請願、荊木一久君外一名紹介、文書表番号第三号、紹介議員の出席がありませんので、この際便宜上專門員をしてその趣旨を朗読いたさせます。
#47
○岩隈專門員 木工從業員に労務加配米配給の請願、請願者新潟木工所社長市川正二外一名、紹介議員荊木一久君高岡忠弘君、本請願の要旨は、現在多くの木工業者、自家において原木を製材しており、その原木の搬入、製材に從來している労働者は製材業に從事する労働者と同樣の重労働であるから、製材業と差別することなく、すみやかにこれら木工從業員にも労務加配米を配給されたいというのであります。
#48
○坂本委員長 政府の本件に対する所見を求めます。
#49
○伊藤(郷)政府委員 木工業者の労苦に対しましては十分わかるのであります。本請願と同樣な労務加配米を要求せられているところの産業部門がなおたくさんありますので、その重要度はよくわかりますから、十分考慮いたしまして請願の趣旨に沿いたいと思つております。
#50
○清澤委員 今の問題に補足して申し上げておきます。これは多分五人以下の工場に加配米が來ないということが中心になつているのではないかと思います。規定数の工場は加配米をもらえますが、規定数に達しない工場はもらえない。それを言うているのではないかと思います。小さい工場ほど機械的な設備が不足しているので体力的な労働が多いのでありますから、これはひとり農林省といわず、ことに商工関係の方は多いと思いますので、労働局と十分御連絡をとつていただいて、そういう小さい工場が組合等をつくりました場合に、何とか考慮していただくように全力をつくしていただきたく、本案を御採択願います。
#51
○伊藤(郷)政府委員 清澤委員の発言を尊重いたしまして十分考慮いたします。
#52
○坂本委員長 本案は内閣に送付すべき案件としてこれを採択するに御異議ありませんか。
#53
○坂本委員長 異議なきものと認め、さようとりはからいます。
    ―――――――――――――
#54
○坂本委員長 日程第二、山口縣の松樹害虫防除費國庫補助の請願、文書表第一二号を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。中嶋勝一君。
#55
○中嶋委員 本件は請願書に記載してある通りであります。山口縣は特にその被害が大きかつたのであります。今から五年前くらいから大体現われたのでありまして、途中縣費の補助で相当駆除に努めたために、一時終息するかと見えたのでありますけれども、最近また非常に再発し、その蔓延がはなはだしいのであります。このままにして放任いたしましたときには、山口縣の松の木は一本もないほどにされる現状でありますから、この請願を提出した次第であります。これに対する縣費の補助も今のところでは出ない現状でありますから、國庫の補助をお願いする次第であります。よろしくお願いいたします。
#56
○野原委員 この問題は、ひとり山口縣の問題ばかりではないのであります。この松食虫が発生いたしまして、全國至る所にこの被害が発生して、日本林業特に松に対しては非常な危機にさらされているのであります。元はこの虫害は生立木にはあまり発生しなかつたのであります。伐採して倒した木の皮の裏から食つておつた。つまり伐り倒したものに発生しておつたものが、いつの間にか生立木にもつくようになつてたいへんな問題になりました。これは從來松の木は伐倒すればすぐ木の皮をはぐことになつていたのが、戰時中ほとんど皮つきのままあつちこつちに搬出する、あるいは輸送事情惡化のために搬出ができず、山の中にそのまま置いてあつたということで、たまたまそれに虫が発生する、あるいは皮つきのままこれが各地に送られる。送られた地帶にまた虫の被害が発生するということで、全國的な問題になつて参りまして、政府としてもすでに一生懸命にこの駆除に苦心をしておるのでありますけれども、なかなかうまい予防法がないのであります。この予防に関しては、具体的な方法として被害木の皮をはいで燒き拂うとか、成虫を集めて殺すとか、あるいは木つつきといつたような益鳥を特に養殖してやるとか、いろいろな対策を必要とするのでありますが、これは從來のように縣の補助金等にまかしておいたのでは徹底できないと思います。從いましてこの際松の虫害に関しては國家的措置を講ずる必要がある。特にその点は林野当局においても十分考えておられるようでありますけれどもこの機会にひとつ政府におきまして徹底した施策をやつてもらいたい。この山口縣の請願はもちろん採択を願いまして、この考え方を全國に及ぼしてもらいたいということを特に要望しておきます。
#57
○坂本委員長 本件に関する政府当局の意見を求めます。
#58
○伊藤(郷)政府委員 松の木に甚大な被害を與える松虫その他の害虫は、わが國の森林行政の上から見て一日も猶予できないことは御説の通りであります。特に山口縣の場合は、わが國の石炭増産の根本をなしておるところの杭木の一番多く出る縣でありまして、その点から考えましても猶予ならぬ問題であると政府は考えておるのであります、特にわずか二百五十万円という程度でありますから、政府といたしましては何とか御趣旨に沿うように努力したいと思つております。
#59
○坂本委員長 本件は内閣に送付すべき案件としてこれを採択するに御異議ありませんか。
#60
○坂本委員長 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
#61
○坂本委員長 第三、國有林矢櫃山拂下の請願、山本猛夫君外一名紹介、文書表番号第一三号を議題にいたします。紹介議員の説明を求めます。野原正勝君。
#62
○野原委員 本件は岩手縣岩手郡御所村という所にある、俗に言う矢櫃山という國有林でありますが、その山が藩政時代におきましては、南部藩から関係の村々に対しまして、薪炭であるとか下草、あるいはまた用材等の利用が認められておりましたいわゆる入会権であつたのであります。官民区分の当時におきまして、それらの事情が十分愼重に考慮されて、官民の区分ができべきはずであつたのでありますけれども、たまたまその当時あの厖大な岩手縣としましてはあまりにも林野の面積が廣く、この具体的細密にわたつてそれらの入会状態等を考えて、官民の区分を合理的に解決するということのためには、あまりに人手が不足であるというようなことのために、その問題をあとに残しまして、遂にその当時國有林に編入される。つまりあとで拂い下げることを十分考えなければならぬというようなことで、三等官林と申しますか、それらの事情の判明した場合においては拂下げをするのであるというようなことで、三等官林ということになつたのであります。ところがその後これらの國有林の管理経営にあたりましては、その地元の要望等を十分考えることなく今日に至りました関係上、関係の町村におきましては、從來藩政時代においては年々薪炭等をその山に仰いでおつたものが、その入会の権利というものは一切認められないということのために、非常に困つておる次第であります。たまたま從來のいろいろな縁故関係の書類や、あるいはまた証拠書類になるべき幾多のものが十分にわかりまして、先般水分村長の鷹木嘉右エ門氏初めこの八箇村の村長さんたちが連名で、この山の國有林を拂い下げてもらいたいという請願を出したわけであります。よく事情を調査いたされまして、できるだけこの請願の趣旨を急速に実現せしめるようにおとりはからいを願いたいと思います。この官民区分にあたつて行いました当時の政府が、いわゆる明治維新の草創の際でありまして、非常な過ちを犯しておる。そのために東北においては軒下から國有林になつてしまつたというふうな、官民区分上のはなはだしき民生圧迫と申しますか、現象がいまだ残つておるわけであります。これらの事情をこの機会に十分考えられまして、來るべき近い將來において林野整備を徹底されまして、こうしたむりに國有林に編入した地域に対しましては、積極果散にこれを地元町村に拂下げをする方策をお立てになることが必要であろうと思うのであります。この請願をそういう趣旨で御採択あらんことをお願いいたします。
#63
○坂本委員長 本件に関する農林当局の意見を求めます。伊藤政務次官。
#64
○伊藤(郷)政府委員 國有林矢櫃山に関しましては、過去歴史上のいろいろのいきさつがあるということを聞いておるのでありまして、この点なお十分に調査研究いたしまして、誤りなき処置をいたしまして、民意にこたえたい。かように思います。
#65
○坂本委員長 本件は内閣に送付すべき案件としてこれを採択するに御異議ありませんか。
#66
○坂本委員長 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
#67
○坂本委員長 次に日程第四、北海道における土功組合の更生に関する請願、北二郎君外二名紹介。文書表第二三号ないし日程第七、北海道土地改良軌道客土事業施行の請願。北二郎君紹介、文書表第二六号を一括議題に供します。この際、それぞれの請願につきまして專門員よりその趣旨を説明いたさせます。
#68
○岩隈專門員 北海道における土功組合の更生に関する請願、本請願の要旨は、北海道水田農業の自然的條件の特異性及び灌漑施設の荒廃等のため、十四万八千町歩の水田と四万二千余の組合員を有する本道百七十四の土功組合は、その経営上未曽有の危機に直面している、ついてはこれが対策として該組合の灌漑施設の新設、維持、改良及び復旧費並びに揚水機の動力費に対して全額國庫で補助され、また改良工事用費材をすみやかに割り当てられたいというのであります。
 次に石狩原野開発促進に関する請願、本請願の要旨は、北海道の中枢部に位する石狩原野の第一期拓殖計画は、支那事変の進展に伴い遂に閉却せられ、現に約三万町歩の未開墾地を残しているが、該原野は本道の他の未開発原野に比較しても交通、土壞、氣温、経済、経営規模等においてはるかに優位にあるから、該原野の開発事業をすみやかに國営により実施されたいというのであります。
 次に品井沼水害予防組合所有の農地外土地建物並びに農業用施設買收に関する請願、本請願の要旨は、宮城縣品井沼水害予防組合は事業目的の終了と組合員の要望とによつて昭和二十四年三月末日で解散することになつており、その所有する農地以外の土地、建物及び農業用施設の処理が早急に要望されている、その理由は該組合員は毎年の水害で施設費負担能力が全然なく、組合の財政上からもまた解散に要する費用の財源にすら困窮している現状からしてもとうてい組合員は経営を続けて行くことが困難な実情にあります。ついては前記土地、建物及び施設をすみやかに現状のままで現金により買收されたいというのであります。
 次に北海道土地改良軌道客土事業施行の請願、本請願の要旨は、北海道農業の特異性から、低位生産地帶の更生には土地改良客土工事が絶対的要件であり、ことに本道特有の泥炭地中農收適地だけで十九万町歩に達し、これが農耕地化するためには経済上軌道による土地改良客土事業の促進が緊急に要望されております。ついては國庫の補助をもつて該事業を明二十四年度より五箇年計画で完成されたいというのであります。
#69
○坂本委員長 以上各請願につきまして農林当局の意見を求めます。
#70
○伊藤(郷)政府委員 四、五、七を一括して御答弁申し上げます。申すまでもなく北海道の開発は、日本再建の有力なる原動力であります。北海道の開発のうちで、最も必要なものは石狩、上川の農業地帶に対しまして、土地改良並びに客土事業を促進すること、これが捷径だと政府は考えております。政府といたしましては、北海道総合開発の重要な一環といたしましても、これに重大な考慮を拂う次第であります。
 なお第六の請願につきましては、もつともな事情もあると考えられますので、なお一層調査の上善処したいと思つております。
#71
○坂本委員長 各請願につきまして、これを内閣に送付すべき請願として採択するに御異議ありませんか。
#72
○坂本委員長 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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