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1948/12/21 第4回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第004回国会 人事委員会 第12号
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1948/12/21 第4回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第004回国会 人事委員会 第12号

#1
第004回国会 人事委員会 第12号
昭和二十三年十二月二十一日(火曜日)
    午前零時三十八分開議
 出席委員
   委員長 角田 幸吉君
   理事 根本龍太郎君 理事 赤松  勇君
   理事 高橋 禎一君 理事 館  俊三君
      淺利 三朗君    關内 正一君
      坪内 八郎君    中山 マサ君
      平島 良一君    福永 一臣君
      菊川 忠雄君    島上善五郎君
      前田 種男君    松澤 兼人君
      米窪 滿亮君    小野  孝君
      川崎 秀二君    五坪 茂雄君
     長野重右ヱ門君    笹森 順造君
      平川 篤雄君    水野 實郎君
      相馬 助治君    徳田 球一君
 出席國務大臣
        大藏大臣臨時代
        理       大屋 晋三君
        國 務 大 臣 殖田 俊吉君
        農 林 大 臣 周東 英雄君
        逓 信 大 臣 降旗 徳弥君
 出席政府委員
        内閣官房長官  佐藤 榮作君
        人  事  官 淺井  清君
        人  事  官 山下 興家君
        人  事  官 上野 陽一君
        人事院事務総長 佐藤 朝生君
        人事院事務総局
        法制部長    岡部 史郎君
        法 制 長 官 佐藤 達夫君
        大藏事務官   河野 一之君
        大藏事務官   平田敬一郎君
        大藏事務官   今井 一男君
 委員外の出席者
        議     員 北  二郎君
        專  門  員 安倍 三郎君
    ―――――――――――――
十二月二十一日
 委員吉田安君辞任につき、その補欠として五坪
 茂雄君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 政府職員の新給與実施に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出第七号)
    ―――――――――――――
#2
○角田委員長 これより開会いたします。
 本委員会において審査中の昭和二十三年十一月以降の政府職員の俸給等に関する法律案は、昨日本院の承諾を得て内閣におきましてこれを修正し、政府職員の新給與実施に関する法律の一部を改正する法律案となりました。
    ―――――――――――――
 昭和二十三年十二月十九日
    内閣総理大臣 吉田  茂
  衆議院議長 松岡駒吉殿
 十二月三日提出した昭和二十三年十一月以降の政府職員の俸給等に関する法律案を別紙のとおり修正いたしたく、國会法第五十九條によつて、貴院の承諾を得たい。
  昭和二十三年十一月以降の政府職員の俸給等に関する法律案修正
 昭和二十三年十一月以降の政府職員の俸給等に関する法律案を別册のように修正する。
    ―――――――――――――
#3
○角田委員長 ただいまより本案を議題としてその審査を進めます。
 この際平川君より発言を求められております。これを許します。
#4
○平川委員 ごく簡單なことですが官房長官にお伺いいたします。これはうわさかもしれませんが、本日官房長官は、関係方面においでになりまして、行政整理等に関する問題を向うから提示せられた際に、その点は別個に考慮するから、これには入れないでおいてほしいとおつしやつたということを、確実な筋から聞いておるのでありますが、事実でありますか。
#5
○佐藤(榮)政府委員 その点については先ほども運営委員会でお尋ねがありましたのでお話を申し上げたのでありますが、少し詳しく実情を申し上げますれば、一時半時分でありましたが、行政整理に関する規定を挿入しないか、挿入するならばかくかくの案でどうだろう、こういうようなお話があり、同時にそれを二時半までにセクションの方へ返答に來るようにというお話でありましたが、突然のことでありますし、また退職金その他等、まことにむずかしい問題もあります、またこの法案自身は皆様方の御協力を得まして急速に成立を見よう、かような御審議の段階にも到達しておるやに実は見受けた際であります。そこで一應の研究をもちましてGSの方へ参りまして、そうして御承知のように民主自由党の、かねての主張の政策のものでもありますが、この際にこの案をただちに取入れて、そうしてこの法案に附け加えることは、まだ事務的に十分に調査ができておらない。從つてこの際は、この法案に附加することを差控えたい、かような話をいたしたのであります。その結果それでは特に入れなくてもというお話でありましたので、差控えることに相なつたのであります。経過は以上の通りであります。
#6
○平川委員 私のお聞きしたいところは、單独法等の別個の処置をとるというようなお心持で御返答になつたやに承つておるのでありますが、それは間違いありませんか。
#7
○佐藤(榮)政府委員 ただいまのお尋ねでありますが、その点はたいへん誤解のように思います。と申しますのは、ただいまの行政管理廳において、すでにそういう方面の計画をする権限を持つておる役所が実はあるのであります。從つてもし必要がありますならばその役所でやつていただけばいいのでありまして、さらにこの際にあらためて單行法を出す、かようなお話までは申し上げなかつたのであります。
#8
○平川委員 それではそのような御意図が將來ございますかどうですか、それをお伺いいたします。
#9
○佐藤(榮)政府委員 行政整理に関しましては民主自由党の政策の中にあるのであります。この点は民主自由党としてはつきりした政策を持つておることをこの機会に申し上げます。ただその政策を具体化するという点につきましては、過般岩本大臣からも、いろいろその構想を本会議の席上においてお話をなされたような次第であります。
#10
○平川委員 それではくどいようでありますが、はつきりした御言明を速記録にとどめるために重ねてお聞きいたします。関係方面に將來さようなことをやらなければならないという言質は、何らお與えにはなつておらないのですね。
#11
○佐藤(榮)政府委員 先ほど來申し上げましたような趣旨をそれぞれ織り込んで、関係の筋にはお話をいたしたわけであります。くどいようでありますが、こちらからも重ねて申し上げます。その申出の趣旨は私どもも了承しておるところのものでありますが、この際これをこの法案に附加することは、政府としましては賛成いたしかねる、かように申したわけであります。
#12
○平川委員 逓信大臣にお尋ねいたします。これは直接に聞いた話をお尋ねするのでないので、はなはだ御迷惑かもしれませんが、本日全逓の代表者に対しまして、逓信大臣は行政整理については政府の方では何ら考えていないところであつて、民主党が関係方面へ行つて、向うへ話してつけて來たものであるというふうなことをおつしやつたと聞いておるのですが、それは眞実であるかどうか、この際承りたい。
#13
○降旗國務大臣 そういうことは絶対に言つておりません。
#14
○平川委員 絶対にありませんね。
#15
○降旗國務大臣 ありません。
#16
○平川委員 それでけつこうであります。
#17
○角田委員長 徳田君。
#18
○徳田委員 大藏大臣にお尋ねしたいのですが、今度は拘束九時間になつているのであります。從來の拘束時間に比較すればこの六千三百七円は一体いくらになるか。労働時間がそれだけ強化されて來たのだから、あなたの方では從來の基準に換算してこれをいくらに勘定しておりますか。
#19
○大屋國務大臣 政府委員をして答弁いたさせます。
#20
○今井政府委員 現在までの総平均が六・六時間でございます。それが今度のは四十時間ないし四十八時間でございますので、人事院の規則が出ますまで、はつきり確定的なことは申し上げられませんが、事務職員につきましておよそ一割だけ延長になるかと思います。事務職員は全体の約三分の一であります。從いまして〇・三%、すなわち一割上つたものが三分の一のウエートしかございませんので、〇・三%だけとにかく時間が長くなつたのであります。
#21
○徳田委員 めんどうなことはいい、五千何百円なら五千何百円になつたということを言つてもらいたい。
#22
○今井政府委員 それは今計算して御報告申し上げます。
#23
○徳田委員 五千三百円よりが少くなつているから言うのです。労働強化をするから少くなるのだ。そういうでたらめな修正案が一体あるか。少し氣をつけてもらいたい。
 次に人事院総裁にお尋ねしますが、この現物給與を引くということなんだが、これの八條の三号に現物給與は引くと書いてあるが、この但書に「予算又は法令に基いて支給される場合は、この限りでない」。一体予算や法令によつて住宅、宿所、食事、制服その他これに類する現物給與でどのくらいのものがあるのですか。
#24
○淺井政府委員 ちよつと具体的の数字は私今書類を持つておりませんが、すぐ調べてお答えいたします。
#25
○徳田委員 そんなんじやしようがない。君らはこういうものはちやんと調べてから勘定しておかんと、一体どのくらいになるかということはわからぬじやないか。実際この現物を引かれたのではたいへんなものだ。事実われわれの知るところによると、特別予算をもつてお前にせつけんをやるのだとか、お前に何をやるのだとかきめてないのだ。これはやりくりしてやつている。そういうやりくりでやつている場合に一体どうなつておるか。このやりくりでやつているものは予算にかけられてあるとみるかどうか。
#26
○淺井政府委員 徳田さんの御質疑を承つておりますと、この但書の趣旨に御反対になつたように存じますが、さようでありますか。
#27
○徳田委員 反対でもへつたくれでもないのだ、あなた方はこの但書によつて、この現物給與の点を緩和したというが、一体どのくらい緩和したとみておるのかということを聞くのだ。
#28
○淺井政府委員 その数字はすぐお知らせいたします。
#29
○徳田委員 わかつていないじやないか。わかつていないでこの修正をやるとは一体何事だ。修正をやるときはこれにはどのくらいのものが控除されて、実際上の手取りはどれくらいになるということを、ちやんと計算してからあなた方は修正しなければならぬのに、でたらめではないか。
#30
○淺井政府委員 でたらめと仰せでございますけれども、一体ただいま現物給與というものは非常に不秩序と私は思つております。この現物給與といえども、納税者としての國民のふところから出るものだということは申すまでもございませんから、予算または法令ということになりますれば、國会の御承認を経た根拠を持つことになりますから、私は給與体系を明朗ならしめるためにこの但書は必要だと存じます。徳田さんは私がただいま詳細な数字を持合せないことに対する御非難だと思いますが、それよりも重大な点は、國会の承認をここでとるということであろうと思います。
#31
○徳田委員 よろしい。しからば言うけれども、あなた方はそういうことをずけずけ言つて、いかにもりくつを通そうとするけれども、それは十分に人間が食うことを保障してからのことだ。あなた方はこれによつて保障されますか。
#32
○淺井政府委員 徳田さんの御意見は、失礼ながら非常に飛躍していると思います。ずけずけと仰せられますけれども、正しいことはずけずけと申すよりほかはございません。
#33
○徳田委員 一体人間というものは食うことが確かでなくて、食えない状態においては必ず大きな危險に際会するものなんだ。行政を担当する者が食えなくなれば、行政が紊乱するのはあたりまえだ。現在の官僚制度の腐敗の最大の原因は、やはり食えないというところにある。マツカーサー司令官の手紙によつても生活を保障すると書いてある。これが第一前提になり、この給與法案が出ている。この給與法案で食えるということを保障するために、諸君は努力しなければならないはずだ。そこでこの現物給與に関しても、実際上この現物給與で助かつている。やつとどうにかこうにか補いをつけている。実際あなた方はこれで食えますか。そういうときにあたつてあなた方はこの法令をつくつて、この現物給與をすべてこの六千三百円の中から引くと書いてある。これを緩和するためにこの但書を書いてあるのでしよう。しからばこの但書でどれだけ緩和されるか。実際上この予算並びに法律においてどれだけ規定されておるか。この額はどれだけかということを、ちやんとあなたは数えるだけの基礎をもつて、初めてこの給與法案が、当面の生活に実際適合しておるかどうかがわかる。あなたは抽象論を言つてはだめだ。
#34
○淺井政府委員 食えないからこそわれわれは非常に努力して、この三千七百円ベースを六千三百円まで引上げることについて、皆様の御盡力を懇請したわけでございます。この努力をお認めにならなくて、せつけん三つの現物給與におとらわれになつておるということは、私は了解できません。
#35
○徳田委員 あなたは六千三百円で努力したと言うけれども、今も言う通りこれは労働強化されているので、まだ今井給與局長は返事しないけれども、これは五千二百円にしかならない。この労働強化されておることからすれば、六千三百七円で、あなたの方は政府の給與案よりよけい努力していると言うけれども、努力するどころかこれは百円少くなつておる。そういうことをしておきながら、これが何であるかと言えば、労働時間の強化になる。そこでわれわれはこの労働時間の強化というような不始末を來しているのだから、さらにこれは現物給與がどれだけでどうなるかということを聞きたい。あなたはそういうことはわれわれ努力していると言うが、これは労働者の方はみな納得できませんよ。もつと親切に言わなければいかぬ。この給與でもつて、実際の賃金の上にさらに現物給與が平均どれくらい來る、だから生活にはそれだけ寄給するところがあるということを示してもらわなければ、これは承知できるものじやない。りくつを言うんじやないのです。具体的の生活の実際を言うのです。そうじやないと労働者はわからない。それを言いなさい。
#36
○淺井政府委員 これ以上何も申し上げることはありません。要するに私は國会多数の御意思でしかるべく御決定願いたいと思います。
#37
○館委員 関連して人事院総裁に伺いたいと思いますことは、私は考え違いをしておりました。それは、但し予算または法令に基いて支給される場合はこの限りでない、こういう項目はもとはなかつた。それがはいつた。そこで野党が修正してこの項目を入れたということは、こういうふうな印象を修正した野党が持つておつたのではないか。それは前段にあるところの現物給與をこうとられては困るので、そこで予算または法令に基いた場合には、給料から差引かない、こういうふうに解釈しておつた。ところが今総裁の話を聞きますと、考え違いをしておつたのはそこなんですが、この法令または予算に基いてということになると、國会が法令または予算に基いてきめたときには、そういう差引をしないことができるということであるのですか。現在予算または法令に基いてあるものがあるかどうか。すでに予算または法令に基いて、これはくれるべきものであるときめてあるものが現在あるかどうか。ないとすればこれからそういう予算または法令できめるときには差引かないとなるのか。現在そういうものが既定の事実として存在しておるかどうか。この点を承りたい。
#38
○淺井政府委員 現在私その詳細は存じませんが、それは最初に御発言のありました通りでよろしいと思つております。
#39
○館委員 そうしますと、人事院総裁は、現在予算または法令に基いて、給料から削除されるべき性質のものがあるかないかということは御存じないのですか。
#40
○淺井政府委員 私ちよつとただいまそのことを存じませんから……。
#41
○館委員 そこで今徳田君の言うたことをもう一ぺん繰返すようでありますけれども、住宅、宿舍あるいは食事、制服、こういうものを幾らの金に見積つて六千三百七円から引くかということも、これから先のことですか。
#42
○淺井政府委員 給與局長からお答え申し上げます。
#43
○今井政府委員 その前に先ほど徳田委員のおつしやいましたことを私概略で申しましたが、少し計算をいたしましたので申し上げます。六千三百七円の時間を五千三百三十円ベースに引直しますと六千八十七円に相なります。この計算の内訳はただいまの時間が三三・六%に当るところの官廳執務時間を四十時間に延ばし、その他のものは現状通り、こうなりますと一〇三・六五という時間に相なります。三・六五だけふえますので、それで割りますと六千八十七円ということに相なります。
 それから館委員のただいまのお話でございますが、この規定は現在やはり法令及び予算に基かない現物給與というものは私はないと思います。從いまして実際上は差引くものはないと思います。ただそうすると一体この規定は意味をなさぬじやないか、一應そういうことに相なるかもしれません。しかしそれは私は誤解だろうと思います。と申しますのは、今まで各省思い思い、あるいはまちまちに行つておりましたものが、先ほど人事院総裁がお話になりましたように、そういう現物給與をもらつておる。それが各省まちまちの分がこれによつて表面に出る。そういう形に相なることが、この立法の一番大きなねらいだと思います。差引くということは全然この中に含まれてありません。
#44
○徳田委員 そうすると今までもらつたものはもらえるように、この法律は保障しているというわけですか。
#45
○今井政府委員 この但書は全然保障されております。
#46
○徳田委員 確かですね。間違いないですね。
#47
○今井政府委員 はあ。
#48
○徳田委員 これは大事だから確かめておかぬとたいへんです。それから從來実労働が八時間になりましてから超過勤務手当はずつと減る。それからこの計算ですと深夜手当、勤務手当も大分減りますね。もともと團体協約によつて深夜のときには五〇%増であつたはずである。今度は二五%になりますから、これも大分減るわけだ。そうするとこの超過勤務手当と深夜業の勤務手当は、この新法令によつて現在の実際高に対してどれくらい減りますか。計算しておりますか。
#49
○今井政府委員 御承知の通り今度ベースが上りますので、基礎の計算がかなり大きくなります。從いまして超過勤務手当の金額はせいぜい減つて二、三割くらいしか減らない。こういう推定をいたしております。それから深夜勤務手当につきましても、その点は一五〇とつておりますのは國鉄だけでございます。労働協約で……。あとのはやはり労働基準法通りのものが大部分でございます。この影響もむしろそれより少い。こう観測しております。
#50
○徳田委員 それは現在とつておるものよりも二、三割少くなるというのですね。それで現在よりは労働賃金が上るのだから、その基準が上つてなお少くなるというのでは、これはたいへんな差額じやないですか。基準が上ればやはり超過勤務手当も、夜勤手当も、それだけふえて行かなければならないはずである。それが現在の取り高よりも二、三割減るというのでは、これはたいへんな減り方だ。そうすると全体からの実際上の賃金の値上げというものは、非常に割引しなければならない。ことに現在では普通の勤務手当では食えぬ。これで労働を強化せられるとたいへんです。みんな副業をしなければならぬ。この副業時間がこれだけ減らされておつて、しかも超過勤務手当がこんなに減るというに至つては、これは一大打撃と思うがどうか、どれくらいの勘定にあなた方はこの打撃を見ておるか。
#51
○今井政府委員 超過勤務手当は、政府全職員につきましては一週に六時間四分の一程度しか見積つてございません。從いましてむろん人によりましては、非常に超過時間の長い方もおられますけれども、全体を平均いたしますと、その程度でございます。但し人によつて違いますので、一週間の勤務時間が四時間になりましても、やはりオーバー・タイムする人が残るであろうということは十分想像されます。從いまして先ほど申し上げますように、ベースが実質的に六千八十七円ばかりに上りますと、その今までの勤務時間に対する報酬額が、当初の案であります五千三百三十円よりも、それだけ、一割以上上りますので、現在の三千七百九十一円ベースに対しますれば、実質賃金におきましては、その分を込めましても、今年の一月あたりに比べますと、四〇%以上の増加に相なる。こういう計算が出て参ります。
#52
○徳田委員 それはなるほど、それだけ上げれば、何とかかんとかしてそうなりましよう。しかしながら実際は、労働者の要求する手取七千三百円から見れば、これはとんでもない給與になる。しかもこういうふうに労働時間を強化し、いろいろな点で勤務手当や超過勤務手当でも割合がずつと減るために、実際上は賃金の定め方が非常に低率になる。物價や生活費の上つておるものからすれば非常に低率になる。政府はこういうやり方で実際に労働者が生きて行けると思うかどうか。ここでまたあなた方は二割だの三割だの首切りすると言う。これはあとの議論として、実際これだけのもので労働者が十分食つて行けると思うかどうか。この点について今井給與局長からもう一ぺんお伺いしたい。
#53
○今井政府委員 食える食えないということは、定義の観念が非常にむずかしゆうございますので、私何ともお答えできませんが、國民の消費水準から考えますと、その消費水準の線に達しているものと判定いたします。
#54
○徳田委員 そうすると、現在の國民の消費水準は、あなた方の勘定では大体水準だというのですね。
#55
○今井政府委員 御承知の総理廳統計局で最近始めましたFISによりますと、收入が出ておりますが、そういつたものを基礎にして判定いたしますと、水準に達していると思います。
#56
○徳田委員 そうすると、一人当り一箇月平均一体どれくらいの生活費になりますか。
#57
○角田委員長 政府委員の方でちよつと調べ中だそうですから、この際高橋君に発言を許します。
#58
○高橋(禎)委員 政府提出の案によりますと、第三十條に罰則の規定があるのであります。ということになりますと、事檢察権運用に関することが問題になるわけであります。法務総裁は先般の本会議場において、檢察権運用に関する根本方針をお述べになりました。そのお述べになりました点については、私も共感いたすものが多々あつたのであります。それで、ここでお尋ねいたしたいのは、檢察権の運用は嚴正公平になさる御意思があるかどうかということであります。それに関連いたしまして、やはり先般本議場で質問いたしました吉田総理の事件が、御存じのように現われているのであります。あの問題は、私の見解をもつてすれば、きわめて惡質重要なる被疑事件であると考えておるのであります。檢察廳においてはこの事件の捜査にすでに御着手になつたのであるかどうか、おそらく着手されたものだと思うのでありまするが、その点をはつきりお伺いいたしたいのであります。もしも捜査に着手しておられないということであれば、およそいつごろ捜査に着手されるのであるかどうか。新聞の記事によりますと、同僚議員の猪俣君から告発状を提出しているということでありますが、その事実の有無、告発状が出ているということになりますれば、それはやはりすみやかに告発状に基いてお取調べあつてしかるべきと思うのでありますが、その点はいかがであるかということと、これははたして檢察権の運用を嚴正公平になさるかどうかということを知る私には、大いに資料になるわけでありますから、その点について明確なる御答弁をお伺いしたいと思うのであります。
#59
○角田委員長 この際委員諸君に御注意申し上げます。本給與法案に関係のない質問は御遠慮願います。
#60
○高橋(禎)委員 刑罰はこの法案にちやんと載つている。この刑罰権の運用に関する根本問題は、この席において明らかにしておかなければ、この案の審議をいたすことができないではありませんか。それは必要であるか必要でないかということは、委員各自の見解の相違によるものでありまして、私は断じてこれは明らかにさるべきものであると確信いたしております。
#61
○殖田國務大臣 高橋さんの御質問にお答えいたします。猪俣議員が告発をいたしております。從つてただちに取調べに着手しております。
#62
○高橋(禎)委員 総理を被疑者としてお取調べに相なつているというふうに了解いたすのでありますが、その通り相違ありませんかどうですか、はつきり御答弁をお願いいたします。
#63
○殖田國務大臣 まだ被疑者になつているかどうかは申し上げられません。
#64
○高橋(禎)委員 告発状に基いてお取調べになつているということは、やはり告発状に吉田総理を被疑者としてしたためであります以上、被告発人として明らかにされている以上、その事件をお取調べになるということは、吉田総理を被疑者として取調べているということに当然なると思うのですが、それ以外に何かそこに別な見解を入れる余地があるのですかどうですか、はつきりお伺いいたします。
#65
○殖田國務大臣 告発が出ましたから、それにつきまして取調べをいたしております。
#66
○高橋(禎)委員 被疑者ですね。それではなお若干関連いたしてお尋ねいたしますが……明瞭に関係がある。
#67
○角田委員長 給與法案に関係のないものは……。
#68
○高橋(禎)委員 第三十條に関係がある。給與法案の第三十條に「給與を支拂い、若しくはその支拂を拒み、又はこれらの行為を故意に容認した者は」云々という規定がある。この場合給與の支拂をなす主体というのはだれなんですか。あるいはまたその支拂を拒み得る立場にある人があるとすれば、その主体はだれであるか、その点を明らかにしていただきたい。
#69
○殖田國務大臣 詳細にわたりますので、政府委員をして答弁させます。
#70
○河野(一)政府委員 それは支出官であります。
#71
○高橋(禎)委員 これは支拂をなした者及び支拂を拒んだ者いずれも支出官、そういう御趣旨でございますか。
#72
○河野(一)政府委員 さようであります。
#73
○高橋(禎)委員 責任者はその支出官だけであつて、その行為を容認した者は云々というその容認者の範囲をひとつ……。
#74
○河野(一)政府委員 行為を容認した者と申しますのは、そのときの情勢によつて違います。支出官の下に分任支出官というものがございますが、分任支出官も支出官の一部でありますが、その者が支拂つた場合において、これを容認した者というのは、その上の支出官であることもあります。また支出官自身の行為について、これを監督する上長長官が容認するということもございます。その情勢次第によつていろいろ違うと思います。
#75
○高橋(禎)委員 この給與の支拂には、期日がきまつている。それよりも若干でもおくれたというようなときには、この法規の運用についてどのように取扱われますか。
#76
○河野(一)政府委員 時と場合によつて、情勢の判断によつて適当に決定すべきものと考えております。
#77
○高橋(禎)委員 情勢の判断ということは、私は理解できないのですが、要するに支拂をなすべき日がきまつているわけですから、もしもそれが一日でもおくれれば、この法律、あるいは人事院規則、あるいは人事院指令に基いて、その規定に違反して給與を支拂いしなかつたものということになるのではないかと思いますが、その点いかがですか。
#78
○佐藤(達)政府委員 ただいま主計局長からお答えいたしました通りに、また高橋委員も多年の御経驗によつて御承知の通りに、事柄の具体性は、結局そのときどきの実情によることと存じます。期日におくれた。それが故意に、惡意をもつて期日をおくらしたというようなことがありますれば、十分問題になり得るということは申し得ると思います。
#79
○高橋(禎)委員 ただいま故意にというお話がございましたが、その故意というのは、犯罪事実を知つているという意味ですか、それとも惡意という意味ですか、そこはどうですか。
#80
○佐藤(達)政府委員 惡意の場合には、問題になる可能性があると思います。
#81
○高橋(禎)委員 たとえばこの事件の檢挙をいたしまして、起訴いたしました。そうしてそれがまつたく誤れる捜査であり、誤れる起訴であつたために一審においても、二審においても、三審においても、まつたくとるに足らない事件として無罪の判決が下つた。そういう場合において法務総裁は、檢事についての責任をいかにお考えになるか、その点を明らかにしてもらいたい。
#82
○殖田國務大臣 それは裁判の結果でありまして、裁判の結果によつて檢事の責任は、檢事が誠意をもつて、忠実にその職務を執行したかいなかにあるのであります。
#83
○高橋(禎)委員 もしそれが故意にやれば犯罪になりますが、犯罪にはならないけれども、職務上非常な重大なる過失があり、また非常に怠慢なるがゆえに行われたあやまちというような場合に、それを不問に付するということは、少くとも國家公務員法が、怠慢なる官吏はこれを懲罰にする、あるいはまた非常に無能力の公務員は、これをまた適当に処分するという建前からできておる公務員法の精神から参りますると、檢事の場合に限つて、犯罪になる場合にはその責任を問うけれども、しからざる場合には、いささかも責任を問わない。それは裁判の結果によつて、裁判が自由にこれは決定したものであつて、檢事のあずかり知らないところである。こういうふうなことは許されないと思うのでありますが、その点はいかがでしよう。
#84
○殖田國務大臣 ただいま私の申し上げましたところも、高橋さんのお尋ねのところも同じだと思います。私は刑罰責任はないけれども、しかしながら檢事が怠慢であり、あるいは重大なる過誤があるならば、それは行政上の責任は負うべきだと思います。
#85
○高橋(禎)委員 その場合に責任を負うのは、いわゆる檢事一体の原則からいたしまして、ひとり捜査の檢事だけに責任を負わすべきものではないと思うのであります。捜査の檢事が、起訴の檢事が、公判に立会つた檢事が、あるいは監督官たる檢事正が、檢事長が、檢事総長、あるいは法務総裁が、それらが全体的に、すべての立場にある人が責任を負うべきであると思うのでありますが、その点はいかがでしようか。
#86
○殖田國務大臣 全体に責任はあるかもしれませんが、それはおのおの軽重があり、個々別々の場合において、考えは各種各樣であると思います。
#87
○高橋(禎)委員 その各種各樣の各責任がいずれにありやということを決定なさるのは、どなたがなさるのですか。
#88
○殖田國務大臣 それは最後は各自の誠意にありましようけれども、行政の組織といたしましては、まず法務総裁が各段階におきまして、最低の檢事はその上の長、その上の長、こういうふうに段階的に監督をして行くべきものと思います。
#89
○高橋(禎)委員 法務総裁に責任があるかどうかということは、だれが決定するのですか。
#90
○殖田國務大臣 それは内閣総理大臣が決定するのであります。
#91
○高橋(禎)委員 はい、わかりました。檢事がいくら責任を負われても、一たび誤つて起訴されたものは、たいへんな被害を受けるわけです。そのときにはまつたく死刑にも等しき被害を受けるわけでありまして、それらの救済について相当考えておらなければならないと思うのでありますが、それよりも前に、私は誤れる檢察が行われないように、法務総裁は十分に指導し、監督されなければならないと思うのであります。檢事及び檢察事務官に対する指導監督についての法務総裁の根本的理念、理想を承りたいのであります。
#92
○殖田國務大臣 法務総裁は誠心誠意、全力を盡して監督の任に当ります。
#93
○小野委員 官房長官に、行政整理の問題について一言だけお伺いしたいと思います。先ほどの質問と重複の点があるかもしれませんが、御了承願いたいと思います。先ほどの御答弁の中に、行政管理廳があつて、行政整理に関しては立案計画ができる仕組になつているという御答弁がありましたが、立案計画ではなしに、行政整理を実際行うには、退職金の支給問題もあるだろうし、これらの問題について立法的措置を必要とすると思われるが、官房長官の御見解を伺いたいと思います。
#94
○佐藤(榮)政府委員 退職金の問題につきましては、すでに各省に退職金の支給規定がございます。問題は、その時期を画しての行政整理のような場合に、それがどういうふうに取扱われるかというお尋ねだろうと考えるのでありますが、ただいまのところ具体的な案の進行がありませんので、ただいま私ども退職金の支給規定をつくるという考えまでには相なつておらないのであります。もちろん必要があればつくらなければならないと思います。
#95
○小野委員 先ほどもちよつと質問の中に出たのでありますが、この給與法改正にあたつて、行政整理の問題が問題となつたことは、今まではほとんどたれしも知つており、常識になつております。その際政府は本法に規定しないでも、政府の責任において、他のしかるべき措置を講ずるということを、関係方面に申したと傳えられているのでありますが、そのことは、立法上の措置をなすという意味であつたかどうか。もう一ぺんはつきりお聞きしておきたいと思います。
#96
○佐藤(榮)政府委員 先ほどお答えいたしましたごとく、立法的措置をするというようなお話をしたものではないのであります。
#97
○小野委員 念のためお伺いしますが、そうしますと、本國会にはその問題に関連した他の法律案その他が、政府によつて提案されるということはありませんか。
#98
○佐藤(榮)政府委員 ただいまのところさようなことを考えておりません。
#99
○菊川委員 私大屋大藏大臣にお尋ねいたしますが、先ほど本会議におきまして、政府の修正案を國会において承諾するかいなかというふうな手続上の議論の際に、わざわざ御丁寧に、政府案の方が野党修正案よりもいくらか歩がいいというふうな数字的な御説明をなさつて、政府案を大いに宣傳なさつたのであります。そこで私あらためてお尋ねいたしますが、政府案が全体を通じて有利だとおつしやる数字的な根拠を、もう一ぺん責任をもつて御説明願いたいと思います。
#100
○大屋國務大臣 政府委員よりお答えいたさせます。
#101
○大屋國務大臣 それではお答えいたします。私は十二月分の給與について、いわゆる野党案というものを拜見しておらぬのですが、政府案の方が十二月二百八十円多いということを申し上げたので、全体を通じてということは私は申し上げてないのであります。
#102
○菊川委員 それではあなたにお尋ねいたしますが、大藏大臣は、この政府案をここに提出なさるにあたつて、その予算分がどれだけいるかということについての御見当をお持ちにならないで、この案を提出しておられる。從つてただ年内だけに二百八十円多い、そのことをただ人から聞いて、それを國会の席上においておうむがえしに言われる、こういうトーキー的な機械の役目しかできないのが大藏大臣である。その根拠をお示し願いたいと思います。
#103
○大屋國務大臣 大藏大臣はトーキーじやありません。この給與は御承知の通り総額の二百六十二億という範囲でまかないまして、そうしていわゆる政府案は一月一日からこれを各月に分割いたしまして、特に十二月の手取りをなるべき多くしてやるという方針で編まれたのでございまして、このやり方が最も適切であるという信念のもとに修正案を出したのであります。
#104
○菊川委員 何ら数字的な根拠は示すことができないで、そうして信念だけを持つておる。実に大した信念で感服するばかりです。そこで私はこれ以上大藏大臣にお尋ねをしても、このことは大藏大臣には荷に負えないことと思いますから、敬遠をいたします。そこでどなたでもよろしうございますから、どうか大藏大臣にかわつて明確に御説明を願いたい。
#105
○大屋國務大臣 政府委員をして答弁いたさせます。
#106
○今井政府委員 途中でございますけれども、徳田委員の先ほどの御質問にお答え申し上げます。九月のFIS、CPSを対照することが一番適当と思います。すなわちFISとCPSとは計算の基礎が違つておりますので、この基礎を人数別に調整いたしますと、最も最近であります十月分で、生計費の方のCPSの平均で四・六人に直しまして、九千五百七十二円、これに対しましてFISの方の勤労者の收入が、実收入におきまして九千六百二十七円、とんとんぐらいのところをちようど行つております。これはきわめて最近のものでございますので、この数字だけとりあえず御披露しておきます。
#107
○徳田委員 それではわからぬ。そういうことを主張するからみなごまかしになる。こういう計算は大体わからぬように、ごちやごちやにするのが政府の常套手段である。実際この賃金でもつて、一箇月一人当りどれだけであなた方は食うつもりか。これを聞きたいのだ。そうすれば食つておるものとかつきり合せれば、食えるか食えぬか、すぐわかる。やれCISだ、FISだと言つて始終ごまかして、それでいつも給與問題では政府はいい加減なことをやる。それではいかぬ。そんなことはよけいなことだ。今はどれだけ現金をとつて、どれだけで、どう食つているか、それを言いなさい。そうすればだれでもわかる。しろうとがわかるようにしなければ、りくつつぽいことをいくら言つても、それはみなごまかしだと私は信ずる。
#108
○角田委員長 私語を禁じます。今井政府委員。
#109
○今井政府委員 菊川委員の御質問でございますが、政府案は一月、二月分の所得の中から繰上げまして、十二月に支給することに相なつております。十二月におきましての繰上げ分に対する年末調整額が、明年の十二月に延期されます関係から、実際の手取りが五千九百五十九円と相なりまして、その意味におきまして、六千三百七円を本年もらいますよりは、十二月の取得としては手取り二百八十円ふえる、こういうことを大藏大臣が申し上げたのであります。しかしながら三党の考えておられる修正案というものを洩れ承りますと、一月、二月におきまして、五千二百円何がし、こういつた給與が支給されるというような予定に相なつておるそうでありまして、そういたしますと、四箇月間を通じましては、二十八円の差にしか相ならない。二十何円だけ手取りがその案の方が多くなる。ただ政府案によります年末調整の方法が、実はいつもやる方法で、平均額をもつてこれをはじいております。しかしながらこれを正確に申し上げますと、この年末調整の額は、超過累進になりますので、平均額ではじきます金額よりは、実際の金額は過重累進の関係からふえることは明瞭でありまして、これを嚴格にやります際には、各税率別にこまかな計算が必要と相なります。そうなりますと、相当ふえるだろうと思います。私、ただいま、ここに数字を持つておりませんが、その数字を加味いたしますと、その二十円何がしのものは、帳消しになるだろうと存じます。しかしただいま私、そろばんを置いてお返事するわけに参りませんが、これは税務常識からも言えると思います。
#110
○菊川委員 私がこのことを質問するのは、さつきどなたか言われたように、どつちかが二、三十円多いからといつて、このことを手柄顏に言うのではないのであります。ただ政府が二百八十円この年内に多くとれるということを、唯一の政府の手柄顏として宣傳しておるからであります。でありますから本案の中心というものは、むしろそういう点にあるのではなくて、他の点にあるのでありますから、こういうただ目先の問題で、歳末の窮乏につけこんで些末なことを言い、しかも洗つてみれば根拠がないのである。何があるかといえば、せいぜい年内にとるべきところの調整を、來年に繰延べるというだけでありまして、とられるということに間違いないのであります。そういうことをもつて手柄顏にすることについて、しかも数字の根拠がないじやないかということについて、反省を促す意味でお尋ねするのであります。でありますからこの点につきましては、われわれの出します野党の修正案ができまして、それをごらんくだされば明瞭であります。たとえば数字から申しましても、政府案においては、十二月は一月、二月から繰上げ前拂いいたしまして、六千三百四円、一月が五千四十九円であります。二月が五千四十九円、三月が六千三百七円、從つてこの総額は二万二千七百九円、それに対して野党の案によりますれば、十二月は六千三百七円、しかもこれは六千三百七円ベースをそのまま実施するのであります。そして一月、二月がそれぞれ五千二百三円、三月が六千三百七円、その総額は二万三千二十円でありますから、差引きその間に、全体を通じまして三百十一円という、野党案の方が多い手取りになります。從つてこのことをおよそ二百九十八万の全從業員に当てはめますならば、約九億円の増額を要する問題があることは明瞭であります。こういうふうな点があるにかかわらず、このことに氣がつかないかのごとくして、單に些末な点について政府案の有利な点を宣傳する、こういうけちなことでもつて、この重要な法案について國民に、あるいは輿論に何らかの混乱を起すというようなことは愼んでもらいたい。こういう意味において質問するのであります。でありますからこの点につきましては、どうかひとつ今後はこういうことをおつしやらないようにされたい。大藏大臣も本会議の壇上において、二百八十円という数字を出したが、聞けばたわいもない話である。給與局長の話を聞いても、二、三十円どつちが多いということを、しかも誇大に宣傳をしておるにすぎないのであるということを御認識を願いたい、こういう点について質問する次第であります。
 次に私お尋ねいたしたいのは、この政府案の三十二條でありますが、これは初めに人事院総裁にお尋ねしてみたいと思うのであります。この三十二條は、職務の性質によつて勤務時間が四十八時間の最高限を超えることを必要としておるような現在の仕事、これをやはり從來通りの慣例によつて認めるというのでありまするが、これは四十八時間という労働基準法の制限を本法に取入れながら、しかも何ゆえに、今日あるがゆえにということでもつて、お認めになるのかということについて、今後給與問題に限らず、官公吏の勤務時間に対するところの大きな問題と思いますので、まず御方針についてお尋ねいたしてみたいと思います。
#111
○淺井政府委員 この問題については給與局長からお答えいたします。
#112
○菊川委員 給與局長には、このことについてはあとでお尋ねいたしまするが、今後人事院が官公吏の勤務時間について、どういう御方針をお持ちになるかという根本的な方針についてお尋ねいたします。
#113
○淺井政府委員 その点につきましては、私はまだここで具体的に申し上げかねまするが、十分その点について遺憾なきを期したいと思つております。
#114
○菊川委員 それでは人事院が、この法案によつて今後給與の問題をお扱いになる。從つてこの法案の中の三十二條があります以上は、今の御方針とただちに背反することになりまするが、この方針をお認めになつておやりになるのかどうか、その点についてお尋ねいたします。
#115
○淺井政府委員 その点についてはただいま……。十分考慮いたすつもりであります。
#116
○菊川委員 今のは聞えませんでしたから、もう一ぺん願います。
#117
○淺井政府委員 その点につきましては、政府職員の保護を十分に全うし得るように、人事院としては十分考慮いたしたいと思つております。
#118
○菊川委員 しからばそういう方針を、これにお移しになるという場合においては、從來四十八時間を超えたるがゆえに、それをそのまま認めるというのであつて、四十八時間をもつて限度として、その後は超過勤務としてお扱いになる御方針かどうか、この点をお尋ねいたします。
#119
○淺井政府委員 それはちよつと私お答えをいたしかねまするから政府委員から……。
#120
○菊川委員 われわれは國家公務員法によりますれば、当然人事院が勤務の基準をおきめになる、その中には当然労働時間の基準がきまると聞いております。しかるにこういう重大な問題につきまして、しかも当面しておるところのこの問題について、答えかねるということにつきましては、はたしてそれで人事院の総裁の責務が果せるかどうか、私は疑うのであります。あらためてお伺いいたします。
#121
○淺井政府委員 その点につきましては、人事院といたしましては、人事官会議を開いてきめなければならないのでございまするから、私はここで今ただちにお答えを申し上げることはできないと思います。その意味においてお答えを申し上げた次第でございます。
#122
○菊川委員 私はくどいようでありまするが、この一週四十八時間制という問題は、御承知のごとく労働基準法にある問題であります。しかも労働基準法のよつて立つところは、國際労働時間の基準によつております。これは日本が今後國際貿易において立つて行くという見地におきましては、絶対に必要な條件であります。しかもそれを民間の企業ならいざ知らず、國家の規範たるべきところの官公廳自身が、これを認めておるということでありますれば、やがて日本は再び世界から、超労働時間の國として排斥を受けなければならぬということになるのであります。こういう認識を持たずして、この問題について人事官会議を開かなければわからぬというのでございますならば、何のために國家公務員法をつくり、給與規則をつくるのであるか、ここにおいて私はぜひこの席上において、総裁自身の明確な信念と方針を示してもらわなければならぬと思うのであります。あらためてお伺いいたします。
#123
○淺井政府委員 その点につきましては、ただいま申し上げましたように、ここに具体的にお答えをいたすことはできませんが、人事院の立場といたしましては、その点について政府職員の保護を、十分全うし得るというような精神でやつて行きたいと思います。
#124
○菊川委員 聞けば聞くほど不明確になりますが、私の聞くのは、十時間働き、十二時間働くところの仕事があることは認めます。從つてそういうところにおいては、超過勤務制度ということがあるわけであります。それを置きながら、何がゆえに四十八時間を超えて現在働いておるところの現場のものを、超過勤務として認めないで、そのまま九時間、十時間あるいは十二時間というような勤務を、どうしてそのまま認められるか、ここにおいて大きな不合理があるのではないか、これをかえずして一体何の給與法の改革であるか、その点について私は疑わざるを得ないのであります。でありますから、この四十八時間を限度として、それ以上のものは、八時間を超えるものについては超過勤務というような扱いがあるのでありまするから、この切りかえがこの場合になぜ適用できないか。この点についてお尋ねするのであります。
#125
○淺井政府委員 その点についてはただいま申し上げましたように、ただいま具体的にお答えをいたすことができませんが、政府職員の保護を全うするという趣旨は少しもかわりありません。
#126
○角田委員長 私語を禁じます。
#127
○菊川委員 人事院が発足早々、そういうあいまいな方針を持つているということを、はなはだ遺憾に思います。しかしこの問題はこれ以上追究いたしません。
 この点につきまして給與局長にお尋ねいたしますが、給與局長はこの制度をどういうためにお認めになるのか、この点をお尋ねいたします。
#128
○今井政府委員 私どもの方の立場から申せば、きわめてこれは技術的な考え方だけでございます。現在たとえば警察官は、労働基準法で六十時間という例外が認められており、また船員につきましては、船員法によりまして五十六時間という例外がございます。そのほかに間渇的な労務でありまして、たとえば踏切番のような労務でありますとか、あるいは守衞の交代制のものでありますとかいうものにつきましては、時間の長い交代制のものが、各省にわたりまして相当数ございます。これにつきましてはその長い時間を基礎にいたしまして今の給與がきまつております。これをお話のように根本的に四十八時間に直しまして、それによつて基本給を下げまして、あとをオーバー・タイムにするということも考えられるのでありますが、それはとうてい今回の急の間に合いません。今回はなるべく早く現金を渡す必要もございますので、現在あります勤務時間と、それに対する給與とをそのまま六千三百七円ベースに織り込む。あとの官廳の労働強化とか何とかという面から、勤務時間を調整して行く問題は、今後の人事院の御研究によりまして、將來しかるべく改善して行きたい、こう考えます。
#129
○菊川委員 今の給與局長の説明によりますと、たとえば警察官は相当長時間働いていると言いますけれども、これは認識不足か、あるいはごまかしであると思います。警察官にはちやんと勤務時間があつて、そうしてそれに対しては超過勤務手当もございますし、夜勤手当もございます。さらに夜通し二十四時間勤務をいたした場合には、その翌日はそれに振りかわるところの公休制度がございます。從つてここではやはり時間制度はあるのであります。あるいはまた踏切番その他のことを言われましたけれども、これらはやはり特殊勤務手当の制度によつてこれは合理化できる筋のものであります。それをただ從來の官僚的な、封建的な考え方によつてやつているのであります。でありますから、できないという場面はあり得ないのでございます。われわれがこれをしいて置く必要ということをここに想像いたしますならば、今日労働基準法によつて、もつと労働に秩序と能率が與えられなければならぬにもかかわらず、相もかわらず官僚主義的なこの管理の方式のもとにおいては、長時間労働によつてやつて行く。ひいてはこれが將來行政整理の温床になるということをおそれるのであります。從つてこういう点から申しまして、一方において行政整理を口にするところの政府であれば、なぜこの点においてこういうものをのけないか。これを置いて、しかも一方においては人が余るから整理をするということでありますれば、断じて官公吏諸君はもちろんのこと、國民も納得しないと思うのであります。この点についてなぜこれを置かなければならないか、いつ一体整理をするかということを明言してもらいたい。
#130
○今井政府委員 もちろん現在の警察官、船員の他につきましても、それぞれ御指摘のように、ほかの法律でありますとか、基準法の例外規定とかによりましてきめられておることは申すまでもございませんが、それを基礎にいたしましてただいま給與がきめられておりますので、これを御指摘のように、また四十八時間という見地から再檢討いたしまして、そのうちに四十八時間あるいは四十時間に直すものが適当なものでありますれば、直しました上でまた本俸の切りかえという作業をやることも、確かに一つの方法に違いないと考えますが、それでは今回の場合間に合いませんので、とりあえず現在のものは、とにかくその本俸はその時間を基礎にしてきめられておりますので、この際このまま切りかえて、その上で將來の人事院の御研究に從いまして是正されて行くものと、かように御了承願いたいと思います。
#131
○菊川委員 十九條においては明らかに、一週について四十時間を下らずして、現行の六・六というものを引下げております。從つて現行慣例の勤務時間を下らずというならば話はわかる。一方において短い方は四十時間以上に引上げて、一方においては長い方は四十八時間を越えないというところの十九條の規定でありながら、しかも三十二條においてその四十八時間というのをくずしてしまう。ここにわれわれが納得し得ない点があるのであります。でありますから実行できないといたしますならば、現在一週四十時間ということも、現場の事情によつては適合しないということがあります。むしろ現行慣例によつてやつて行く方が、現状には合う場合があります。しかもこの場合においてはこれには触れるが、一方において長いものはとめないということは、要するに公務員を使う場合に、いかにしてなるべき金を出さないで使うかという、搾取的な考えがここにあると思うのであります。こういう考えを盛り込まれたこの給與法案でありますならば、こういう精神で運営されるということをわれわれはおそれるのであります。從つてぜひともこの三十二條は削除しなければならぬものと思いますが、削除の意思がありやいなやを最初にお尋ねします。
#132
○今井政府委員 詳細の数字は申し上げられませんが、國鉄の関係だけでこれを切りかえて、月に四億ないし五億円必要といたします。從いまして二百六十二億のわくの中では、とにかく現在やる方法はございません。どこか削除されますと、ベースの方を動かさなければならぬという問題が起つて來ます。
#133
○菊川委員 次に佐藤官房長官にお尋ねいたしますが、非常に御熱心に御活躍されて、やろうと思えば十二月一日から六千三百七円ベースの実施できるものを、わざわざ一月一日にお送りになつた理由は、一体どこにあるのでありますか、その点をお尋ねいたします。
#134
○佐藤(榮)政府委員 ちよつと速記をとめて……。
#135
○角田委員長 速記をとめて……。
#136
○角田委員長 速記を始めて……。
#137
○菊川委員 われわれが野党といたしまして共同修正案の作成にかかる際には、この委員会にかけて著手したのであります。從つて、関係筋との折衝などにおきましても、われわれ野党とは違う立場でありましても、委員長はやはり超党派的の意味において、しばしば同道立会いを願つておるのであります。でありますからわれわれはこの審議の途上におきまして、一日も早く共同修正案をつくつてその筋との了解を得たいということで、最も効果的に、敏速に進めるためにこの手段をとつてきたのである。ところがそれにもかかわらず、やはり政府におきましては、われわれの方においてこの委員会の進行を停止しておる。われわれがこの委員会の審議を遅らしておる。こういうようなことをしばしば言われておるのでありますが、今なおそういう認識をお持ちになつておりますか。この点についてお尋ねいたします。
#138
○佐藤(榮)政府委員 たいへんこの審議の途上においていろいろ問題が起り、関係の向きを刺戟した点が多々あつたように見受けるのでありますが、今日この段階になつて参りますると、政府も、與党も、野党も、すべてが協力して、一日も早く新給與法案の審議並びにこの予算の成立に御協力を得ておることを承認する次第であります。
#139
○菊川委員 それではその点についてお尋ねいたしますが、佐藤官房長官は、從來の政府原案そのまま委員会にお預けになつて、別の行動として修正案をおつくりになる動きをなされたのであります。そこでわれわれから見ると、今日吉田内閣においては吉田内閣のほかに佐藤内閣があるじやないか、こういう印象を受けたのであります。二つの頭を持つた内閣でありますから、われわれが見ますと一方は政党内閣であり、一方は官僚内閣である。こういうような印象を受けてはなはだ迷つたのでありますが、一体佐藤官房長官のお動きになつた動きというものは、この委員会と連絡をとつてお動きになつたのか、それとも政府独自でお動きになつたのか、その点をお尋ねいたします。
#140
○佐藤(榮)政府委員 それは政府独自の立場におきまして、この案の審議を進めて参つたような次第であります。
#141
○菊川委員 政府が独自でお動きになる場合において、委員会には原案の審議をまかしている。從つてわれわれはその原案に対する修正案を準備しておる。それは十分承知をしておられるはずである。ところがそれであるにもかかわらず、独自の立場で別に動いておられる、こういうことになりますと、政府というものは一体この委員会に対して、どういうふうな認識をお持ちになり、委員会に対してどういう責任をお感じになつておるか、この点疑問を持つのであります。それはしばらくおきましても、われわれがお尋ねしたいのは、政府が法案審議を、原案をおいてなさるならば、なぜ野党共同修正案作成について、直接委員長を通じて野党に相談をなさらないか。これなくして委員会を拔きにして外に動くというのは、どういうわけであるか、この点についてお尋ねいたします。
#142
○佐藤(榮)政府委員 ただいま政府独自の立場において案を審議した、かように申しましたが、もちろん皆様方の御熱心な御審議をいただいておる原案は提案のままでありますので、当時早速新しい事情のもとにおかれました政府としては、運営委員会に対してそういうような新しい事態に当面したことを申し上げて、しばらくその審議等についても御猶予を願つたような次第であります。なおまた政府がいろいろ案を関係の筋と連繋をとりました際も、実は私どもできるだけ皆様方と共同研究ができるならこれも望ましいことだ、かように考えまして、その関係の筋に数回そういう意向を漏らしたこともあつたのでありますが、関係の筋においてはいろいろ政治的な実情等も勘案された結果でありますが、ほとんど同じセクションに参り、時間的にもつながつておつたかに思うのでありますが、同事務所でも顏も会わされないように、向うでいろいろあんばいをされたような次第であります。おそらく私どもそういうようなことを感じましたが、皆樣方も同じような感じを持たれたのじやないかと思います。
#143
○菊川委員 そういう結果非常に不思議な現象として、野党が共同修正でつくつたところの案を、政府がそのままおとりになつて政府の修正案をお出しになる。從つて出た案においてはほんの一、二箇所の相違でありまして、それを二つ並べてここに政府と野党が採決をしなければならない、こういう実に不思議な現象を起したのであります。この責任は委員会を無視して動いたところの政府の責任であると考えるのであります。でありますから、ここで政府の責任をそれ以上追究してもやむを得ないのでありますが、野党の案と政府の案とで違つておる点といたしましても、きわめて僅少であります。殊に支拂の方法といたしまして、十二月から始めるか、一月から始めるかという点が若干違うだけであります。ところが今伺つてみますと当時その筋においては一月からという話であつた。ところがわれわれがその当時以前から折衝いたしまして得た結論というものは、十二月一日から実施可能なんであります。そこでこういうことになりますれば、政府としては政府修正案が出て、もはや顏も立つておるわけでありますから、ここで一月一日というところを十二月一日となされば問題は簡單に片づくのであります。こういうことについて政府は、この政府案を本委員会の席上において一應撤回をなさつて、この点をお改めなすつて野党案に合流をされる、こういう御意思があるかないか、この点をお尋ねいたします。
#144
○佐藤(榮)政府委員 先ほど申しましたように、実は最初この審議にかかりました際に三つの点が條件になつておりましたので、政府としてはこの案で実は参つておるのであります。今御審議をいただいております修正案で、実はその筋の御了承も得ておるような次第であります。この点は一應御了承いただきたいと思います。
#145
○菊川委員 それから最後にもう一言……。こういう筋の通つた話を申し上げましても、頑としてお聞きにならないというのは、何かほかに重大な問題があると察するのであります。それは今まさに解決のまぎわにありますところの電産、石炭、船舶、さらに最近起りましたところの纎維、こういう重要産業におけるところの爭議において、これを解決すべきところの補給金は、政府の当時におきまするところの五千三百円のベースにおいて組んでおられると思うのであります。ところが今日六千三百七円のベースということになりますれば、当然この解決にも影響するのであります。そこで政府はおそらくその解決を十二月中にするためには、少くとも政府の給與ベースは從來通りすえておきたい。三千七百九十一円ベースで置いて、その方法でもつてこの爭議に対しても切拔けよう、こういう意図がひそんでおると見ざるを得ないのであります。われわれはそういう点からいたしまして、こういう爭議そのものを解決するところの便法のために、かえつて複雜なところの手続をして、この委員会における給與法案の審議までも混乱に陷れた、ここにはなはだ遺憾なことでありますが、重要な産業の爭議を解決するのに、これに対しては適切なるところの方法てもつてするにあらずして、ペテンをもつてごまかしをもつてしようとしておる。ここにこの給與法案の混乱があり、さらに一方には年末に迫つての重要産業が今なお爭議の解決を見ずして、莫大なる産業的な損害をこうむつておる原因があるということをわれわれはおそれるのであります。こういうことについて私の申し上げたことをお認めになるか、お認めにならないか、この点をお尋ねいたします。
#146
○大屋國務大臣 ただいま菊川君のような意思は全然ないのであります。
#147
○島上委員 行政整理に関連して官房長官にお伺いしたいと思います。この法律案に関しましてこと最近に関係筋方面から、三月中に行政整理を行うこと、並びに退職手当は三箇月を越えないことというような意味の示唆があつたやに聞いております。これに対しては運営委員会においても質問があつた際に、官房長官は政府としては今日この法案にそのようなことを入れることは適当でない。そういう意味において入れないことにしたという答弁がございましたが、先ほど來の同僚議員の行政整理に関する質問に対する答弁を伺つておりましても、政府は行政整理を近いうちにやるのではないかというふうに私どもには解釈できるのであります。私ども仄聞するところによると、関係筋方面に対して、近いうちに行政整理を何らか形でやる意思があることを明らかにされたように聞いております。せんだつての当委員会において岩本國務大臣が、この問題に関して答えて曰く、行政整理については自分としては一つの構想を持つておる。しかしその構想を実行する前にぜひ必要なことは、十分な退職手当を支給するということと、失業対策を立てるということが前提である。それをしないでは行政整理を行うべきではない。こういう考えでおるという答弁があつたのでありますが、その岩本國務大臣が答弁された相当の退職手当を支給するということと、十分な失業対策を立てることが、行政整理の前に前提として必要なことであると言われた考えが、今日なおかわらないかどうかということをお伺いいたします。
#148
○佐藤(榮)政府委員 岩本國務大臣のお答えになつたこのお言葉は、岩本國務大臣からお述べになるのが本筋のように思いますけれども、この席におります私にお尋ねがありますのでお答えいたしたいと思いますが、原則的、抽象的に考えまして、岩本國務大臣が言われるごとく、失業救済であるとか、あるいは十分な退職金制度であるとかいうようなことが、つくられることが、前提あるいは基礎條件であるということは、もちろん私も承認するところであります。
#149
○島上委員 それではお伺いしますが、三箇月を出ない退職金などというものは、決して適当な、相当な退職金だとは考えられない。政府はそういう点について具体的に考えているかどうかは存じませんが、大体その相当な退職金というものは、どのくらいが適当とお考えになつているかお伺いいたします。
#150
○佐藤(榮)政府委員 ただいままだ先ほど申しましたように、具体的に行政整理の案が進み、あるいはその実施計画を立てておるわけではありません。先ほども申しますように、行政整理は民主自由党の政策であり、この吉田内閣におきましても、岩本國務大臣の構想がすでに出ておるということを実は申し上げたのであります。それで先ほどの、この法案をつくります際における先方からのお話の筋でありますが、その際には実は私どもが伺つておりましたことは、具体的な問題はなかつたように記憶しております。先ほどお話がありますごとく、行政管理廳長官に、三月三十一日まで一つの権限を付與するということと、それから退職金三箇月という規定を挿入するというような話があつたのでありますが、先ほども申し上げましたごとく、行政管理廳が権限をすでに持つておりまして、同時にまた退職金そのものにつきましては、実はただいまお尋ねになりますような金額といいますか、これをいろいろ考えるといいますか、構想をまとめることは、そうわずかな時間ではでき上らないものと私どもは考えておるのであります。殊にあの規定だけでは、在來の既得の退職金そのものも、もらえるか、もらえないか、それもはつきりしておらないような実情であるように実は記憶するのでありますが、実はその内容の点につきましても、もつとわれわれは意見を聞いてみたい。さような意味において申した次第でありますから、その際におきましては、大体これらの点についての意見を述べる必要がない。政府がその案をとるかとらないか、いずれでも政府の撰択である、こういうわけでありますので、しからばこの際は私どもはこの案は返上いたしたい、とらないということで、何ら附加しない修正案をお手もとに出しているような次第であります。
#151
○島上委員 私、議院運営委員会において、佐藤長官の答弁を伺つた際には、この法律の中にこの際そういうことを挿入することは適当でない、そういう意味で入れないことにしたというふうに承つております。從つてこの法律にはそういうことは入れないが、そういうような考えのもとに、行政整理を近いうちにやるというふうに受取れたのです。そうしてただいまの答弁から受ける感じは、行政整理をやることは非常に積極的であり、急速にやるのではないかと思われる。しかるにその前提であると岩本國務大臣も言われ、今も長官も認められたところの退職金の問題と、失業対策の問題に対しては、何ら具体的なものがない、その熱意もない、こういうふうに受取れます。私は念のためにもう一ぺんはつきりと伺つておきたいのですが、相当なる退職手当を支給するとは、すなわち三箇月などというような、しみつたれたものでなしに、相当なる退職手当を支給するする、それから十分なる失業対策を講ずるということに対して、それがはつきりと、整理の前に具体的に前提としてきめなければならぬ事柄であるということを、はつきりとお考えになつているかどうかお伺いしたい。
#152
○佐藤(榮)政府委員 先ほど來たびたび申しましたように、抽象的な、原則的な構想としては、御意見のようなことが考えられるかと思いますが、具体的な問題としては、ただいま進行していないということを、はつきり申し上げておきます。
#153
○島上委員 具体的なものが何もないということになれば、それ以上この問題は追究してもしかたがないと思いますが、大藏大臣にほかのことでちよつとお伺いしたいと思います。最初の案を出されました際の提案理由説明のときに、財政、物價等諸般の事情を勘案して、適正なる賃金水準を決定するために研究しておる。そうして人事委員会の勧告の案に対しては、財政事情及び物價体系に及ぼす影響からこれを採用しがたい、こういうことをその理由で言つておるのであります。ところが本日その財政及び物價体系に及ぼす影響から、採用できないと言われた人事委員会の勧告案にほとんどひとしいものを、政府の修正案として出して参つたのであります。從つて当初財政事情、物價体系に及ぼす影響からできないと言われたのが、財政事情及び物價体系に影響を及ぼさなくなつたという理由をお伺いしたいと思います。
#154
○大屋國務大臣 ただいまの御質問は、最初は仰せの通りの考えでやつておりましたのですが、ただこのベースを五千三百円から六千三百円に上げましても、やはり財政上の見地から、これは最初の通りの考えを堅持いたしております次第でありまして、そのためにいわゆる総額の給與の二百六十二億という範囲内でまかなうということにいたさなければならぬということは、われわれの鉄則であつたのであります。從いまして結局六千三百円のベースを採用いたしますからには、どうしても総わくがきまつておりまする関係上、その実施は一月一日からと相なることはやむを得ない次第であります。さような見地から決定いたした次第であります。
#155
○島上委員 物價との影響は……。
#156
○大屋國務大臣 物價との影響は、いわゆる今回の補正予算の年度の來年の三月までの間におきまする限り、前案と今回の案は相違がないのであります。
#157
○島上委員 それからもう一点これに関してお伺いしたい。適正な賃金水準を決定するということで五千三百三十円を出した、こういうふうに言われておりますが、そうしますと今日は五千三百三十円の賃金水準は適正でないという結論に達したから、六千三百七円を出したわけですね。
#158
○大屋國務大臣 それはあくまで、いわゆる賃金ベースと総体の金額のわくと二つをにらみ合せた観点から出しましたので、單にベースだけをとらえて批判はできない。総額の予算のわくと、ベースと二つをにらみ合せて、これを六千三百七円の今回の方式に決定いたした次第でございます。
#159
○前田(種)委員 物價との関係において大藏大臣は、來年の三月までは総額において押えているからこれで行くと言う言葉の裏には、四月以後は改訂するかもしれないという印象を多分に受けたのです。私たちは六千三百七円はあくまでも確保しなければいけませんが、このことによつて物價を改訂してはならないと確信を持つております。あくまでも物價を改訂せずしてこの賃金ベースを維持して行かなくてはならぬと、われわれは考えているのです。そのためにはいろいろめんどうな問題もあろうと思いますが、政府はベストを盡して、その線に沿うて物價を改訂しないという基準の上に立つて、諸般の政策をやつてもらわなくてはならぬと考えますので、もう一度これは大事なところでありますから、大藏大臣の政府代表としての方針なら、万般の対策をはつきりと示してもらいたいと思います。
#160
○大屋國務大臣 ただいまの前田君の御質問は、まことにもつともな点でございまして、ただいまの三月までの年度におきましては、物價の点は、いわゆる名目の賃金と総予算のわくの関係で、私はこれで十分処理して行けると考えております。そこで四月から以降の問題につきましては、実はそう申し上げるとしかられるかもしれませんが、まだ的確なる物價政策を考えておらぬので、その節に至りましたならば、相ともにひとつ研究して行きたいと考えております。
#161
○前田(種)委員 私は今の大藏大臣の答弁を聞いて実にあきれるのです。あるいは大藏大臣は臨時の大藏大臣になつておられるかもしれませんが、本職は商工大臣です。物價の問題は商工大臣が主管であるはずでありますから、私が大藏大臣に対する質問と言つたことが誤りであるかもしれませんが、少くとも商工大臣としては、この問題に対しては重要な責任があろうと私は考えます。來年の四月から先のことについては考えておらないというようなあいまいな答弁では、一体この難局を背負つて立つ政府の責任が那辺にあるかということを疑われるのです。吉田内閣はまつたく解散以外に何も考えていないということが、今の大藏大臣の言葉から裏書きできるのです。どうしてもこの難関を切抜けて行く――少くとも経済政策を処理して行くというためには、先ほども質問の中に申し上げましたように、いろいろな困難があることを私は是認します。その困難を克服して行かなければならない日本の現状を眞に考えて、政府は一体いかなる施策を立てるかということに対しては、もつと眞劍に答弁をしてもらわなくてはならぬと私は考えます。今の答弁は大藏大臣としての答弁、政府の責任者としての答弁としては、あまりにも軽卒な答弁なりと言わざるを得ないのであります。私たちはその点について、もつと眞劍な政府の施策が聞きたい。選挙をやつてどうなるかわからぬが、もう内閣も長いことはないというつもりで答弁せられておるかどうか知りませんが、たとえ内閣の壽命がどうあろうとも、その衝に当る限りにおいては、日本の今日の全責任を背負つて立つているという氣魄において、答弁せられたいということを重ねて申し上げまして、もう一度政府の方針がありますならば、明確にしていただきたいと思います。
#162
○大屋國務大臣 ただいまの前田君の御質問は、半ば私に対する訓戒で、半ば同君の御意見でありまするが、そのうち最も重要な――いわゆる來年の四月以降の物價政策という点に対しましては、私もまことに深憂を抱いておる次第であります。もちろん來年度の予算編成にあたりましては、物價の面、賃金の面、生産の面、あらゆる点におきまして、非常なる困難があると予想されておるのでありますが、その点に対しましては、今夕この席上におきまして詳しく私の意見を申し述べる余裕がないのであります。
#163
○相馬委員 官房長官に一つお尋ねいたします。
 この人事委員会で、前に、今はなき泉山三六氏に(笑声)、われわれがこういうことを質問したときに――総括して申し上げますと、五千三百三十円では食えない。しかし今の政府の財源の面からやむを得ずこれを出すのだ、こう言うのならば、そのいう意味で答弁を願いたい、こういう誘導質問をしたのに対しまして、大藏大臣が申したことは、これで食べられる、しかも安心をしなさい、とおつしやつたのです。それで私たちはこの観点からながめますと、一番ひどい目にあつているのは國家公務員です。一方では行政整理でおどかされ、給與はこうして、ああでもない、こうでもないと荏苒日をむなしゆうして今日に至つた。そこでこの提案理由の説明を見ますと、諸般の情勢にかんがみ云々などと申しておりますが、こんなことでは國家公務員の連中は承知できぬ段階に至つていると思うのです。このことはあるいは怠業氣分にまで行つているのではないかということを憂えます。從いまして、政府は國家公務員法で縛つたのであるから、率直に、あの際にせめては人事院案を呑むべきであつたのだが、それを呑まなかつた。これは明らかに政府の勘違いであつたのです。そしてこういう段階において六千三百七円案を今度は出すことになつたのだということを明確にされて、野党がどうの、與党がどうのでなく、本委員会を通じて、國家公務員の志氣高揚のために陳謝すべきであろうと思う。このことについての御意見を承りたい。
 それから、時間の都合上一括して次に大藏大臣に申し上げますが、これは先般國家公務員法審議の場合に、教育公務員の特質にかんがみまして、これは行政官でも何でもありませんので、これを特別職に入れるか、あるいは教育公務員法というような特別立法をするかということにつきまして、人事院総裁、時の人事委員長も出たところで、これはここで眞劍に論議が戰わされたのです。そこで今般教育公務員特例法というのができました。しかしよく考えてみますと、この特例法ができるように、教育というものはあの職階制にあてはまりません。それから労働時間の問題でも、休憩時間を拔いてと申しまするが、一般官廳の事務屋と違つて、教育の仕事というものは、休憩そのものの見方が大分違うということは、学校を出られた政府の皆樣はよく御存じだと思う。そこで私はこの際大藏大臣に明確にお聞きしておきたいことは、三つなのです。すなわち教育公務員の制限時間の問題をこういうふうにするのだということが一つ。それからもう一つは、この職階制にあてはまらないものですから、現在の俸給表では教員がみな頭打ちしてしまつて、めちやくちやで、あの俸給表がぴつたりあてはまらないで、今井給與局長も大弱りに弱つているのです。そこで今後別表か何かでもつて、教育公務員の俸給を明確にする用意ありやいなや。三番目は、聞くところによると、給與の詳しいことは人事院できめるというようなことであると聞いておりまするが、もしこれに関して人事院総裁から特に発言する点がありましたならば、重ねてお伺いしたい。これはしかし人事院総裁には要求はいたしておりませんが、以上ひとつお願いいたします。
#164
○佐藤(榮)政府委員 第一点についてお答えをいたしたいと思います。すでに御指摘になりましたごとく、人事院から政府は勧告案をいただきまして、できるだけその勧告案に忠実に、その線に沿つて予算を作成すべく、いろいろ努力をしてまいつたのであります。しかしながらこれを十一月以降実施するといたしますると、予算的措置はいかようにいたしましてもできなかつたのであります。当時すでに政府が申しましたことと思いまするが、この新給與の改正につきましては、政府も人事院の勧告案につきまして敬意を表し、同時にこれの線で実施するために努力を続けてまいりましたが、予算的な措置や、國家財政の観点から十分でない、また一般民間等とも、当時の情勢でにらみ合せまして、これは実施が何としてもできがたい。しかし十一月以降新給與を改訂することは、われわれといたしましても当然努力すべきだ、かように考えまして、実施期を十一月一日とし、そして五千三百三十円の案を、実は策定をいたしたような次第であります。多分当時の情勢のもとにおいての前大藏大臣のお話であつたろうと思うのであります。しかしながらその後実施期が十一月、十二月と遅れて参りまして、新しい給與法案の骨子には、人事院の六千三百七円ベースの原則を採用して、一月一日以降実施を考えてみろ、かようなわけで今回実はこのような案を再修正いたすことになつた次第であります。この点につきまして、政府が過去において人事院の勧告案について忠実に審議したこと、またその後におきましても、これが実施について努力をしておることを、ひとつ御了承願いたいと思います。
#165
○大屋國務大臣 私に対する質問は今井政府委員をして答弁いたさせます。
#166
○今井政府委員 ただいま相馬委員の御指摘の点は、この法律の十五條第三項にも指摘してございますように、教育職員の特殊性は、何らかの形におきまして、なるべくすみやかに具体案を考究していただく必要があると存じまして、人事院において御研究願うことにし、その独特の俸給表を國会及び内閣に提出していただくように指定してございます。その際に十分考えていただくものと考えております。
#167
○淺井政府委員 相馬さんの御意見はまことに御同感の至りであります。幸いにこの人事委員会の御努力によりまして、十五條中に教育公務員についての人事委員会の権限が與えられておりますから、これによつてその特殊性に基いて、適当の勧告を國会及び内閣に出せるようになつておりますことは、私はたいへん感謝いたす次第であります。その規定を十分に活用し、すみやかにその措置をとりたいと思います。
#168
○相馬委員 ただいまの今井政府委員の答弁並びに人事院総裁の答弁に対して一應満足の意を表しておきます。
 官房長官に再度お尋ねしたいのですが、陳謝して國家公務員の志氣高揚に資せと申しましたけれども、それに対して直接のお答えがなかつたから、それについてはいいでしよう。ただ一つここではつきりおつしやつていただきたい。私は今後人事院の勧告をもつと尊重してもらいたい。もつともこう申しましても、政府が高い給與案を出して、人事院が低い給與案を出すこともあり得ると、理論の上では言えますけれども、私はこの國家公務員法を見て、それから人事院案を見て、そういうべらぼうなことはないと信じまするがゆえに、この人事院の勧告をもつと重視してしかるべきであると思うのでありますが、この際明確にそれについてのお考えを承りたいと思います。
#169
○佐藤(榮)政府委員 相馬委員のお尋ねにお答えいたします。この点は政府人事院の勧告につきましては、もちろん十分これを尊重する考えでおることを、この際明確にお答えをいたしておきます。
#170
○平川委員 私の質問しようと思つたことを、ただいま相馬委員から一部分お尋ねになりましたので、この際人事院の方では、ここに「教育職員の俸給表その他これに関する事項につき必要と認める勧告を國会及び内閣に同時にしなければならない」とありますので、これを早急にひとつやつていただきたい。その際には今相馬委員の言われましたように、單に新しい研究による職階制を盛つた俸給だけにとどまらず、かつて二千九百円ベースから三千七百円ベースにかわりますときに起つたすべての不合理を是正する処置を、同時に講じていただきますように、強くお願いをしておく次第であります。
 それからもう一つ大藏大臣にお尋ねいたしますが、この年末調整を一月から三月の間に分割をせられる措置をお講じになる意思はございませんか。
#171
○大屋國務大臣 ただいまのところ、そういう意思はございません。
#172
○平川委員 この点はぜひともやつていただきたいと私どもは思うのであります。御承知のように、このたびいろいろ年末賞與に類する金を支給することはできなくなつたのでありまして、この点は私どもも了承するところでございますが、しかしながら、この年末調整がいかに俸給取りを苦しめておるかということは、大臣もよく御存じのことだと思いますので、ぜひともこれはやつていただきたい。これをおやりにならない理由があればお聞かせを願いたい。
#173
○大屋國務大臣 その点は政府委員からお答えいたさせます。
#174
○平田(敬)政府委員 ただいまの年末調整の件についてお答え申します。年末調整は御承知の通り一年の所得を通算して、年税として確定的な税額を徴收するために行うものであります。從つて人によつては返す分もございます。また人によりましては、相当よけいに徴收しなければならない場合もございます。それから臨時手当をよけいに出しておる場合には相当な徴收になりまするが、毎月経常的な給料だけ支拂つている場合には、本年は追徴はございません。むしろ返す場合が相当あるようであります。しからばこの年末調整を適当にやつていいかということになりますると、今申しましたように人によつて非常に不公平が生じて來る場合が多々ございまするし、それから普通の申告所得税における場合と比較いたしまして、これまた不公平なことになりますので、この調整をやめるということは、私どもは感心しないと思つております。ただ今回は急いで支給することになりまするので、十二月に支給する場合におきましては、概算で調整いたしまして、不足の分は一月になるべく早い機会に清算するという建前で考えております。
#175
○平川委員 私はしろうとでよくわからないのでありますが、この政府の案にありますように、一月、二月分の給與を十二月に支給して税金をとらないということと、この問題とはどういうことになるでしようか。
#176
○平田(敬)政府委員 今度の政府の案によりますると、十二月に前拂いする分は、結局本來は來年一、二月の給料であります。從つて本年度の年末調整の際にはその給料は入りませんから、來年の給料として清算することにいたします。從つて十二月の年末調整の際には、十二月から六千三百円になつた場合と、政府案のごとく來年の一月、二月分を臨時前拂いするという場合と比較して、税額において相当の差が出て参ります。そういうことからいたしまして、先ほど大藏大臣のお話のごとく、十二月の手取りが若干増加する次第でございます。
#177
○平川委員 もし給料の前貸しができるならば、税金を分割してあとへまわすということもできないことはないと思いますが、そこはどうでしようか。
#178
○平田(敬)政府委員 これはとにかく給料の一部として支拂う分でございますから、その給料に対する税額の分は、やはり支拂いの際に徴收する。これは動かせないところだと思います。ただ先ほど申し上げましたように、本年の年末調整の対象にならない。來年の給料になるということから、調整税額は相当違つてくるということになるわけであります。
#179
○平川委員 融通のきかせ方が、税金の場合と給料の場合と違うように思いますが、何か根拠がありますか。
#180
○平田(敬)政府委員 特別に違うわけではないと考えるのですが、六千三百円に対する税金のうち、前拂いする分に対する額だけを、前拂いする給料から差引くということでございまして、しごく素直な解釈だと考えております。
#181
○徳田委員 さつきの今井給與局長の返事からして聞きたい。
#182
○今井政府委員 私ども事務当局といたしましては、いろいろ私どもの勝手な推定をいたしますよりは、日本で一應最も権威があるとされております統計局の、CPSなりの数字を申し上げたらよいと考えて申し上げた次第であります。
#183
○徳田委員 それはわからぬが、それはあとで片づけることにして、その次には労働基準法第三十九條によつて認められておる年次の有給休暇でありますが、これは出勤率八〇%で、勤続一年で六日間ある。しかるにこの給與法案には、有給休暇につきましてはきめていないが、これは一体どうするつもりか。全然やらぬつもりかね。
#184
○今井政府委員 これにつきましては今回触れておりませんが、触れておらないということは、現在の制度をそのまま延長する考えであります。從いまして基準法よりははるかに長い、初年度より八〇%なくてもやるという甘い考えであります。
#185
○徳田委員 それは國体協約をそのまま施行するというわけですか。そうすると、團体協約では二十日となつておるが、團体協約の今の実際を認めるわけですか。
#186
○今井政府委員 團体協約を認めるということではございませんが、現状をそのまま認める。
#187
○徳田委員 團体協約は認めないかもしれないが、團体協約できめた実際のものは認めるわけですね。
#188
○今井政府委員 現行通りやるというわけです。
#189
○徳田委員 確然としておかないと、あとで文句を言つちやいかぬ。
#190
○今井政府委員 この法律に関する限りさようです。
#191
○徳田委員 だめだよ。ここでもう一つ聞きたいのですが、あなたの方では、政府は十一月の物價水準で五千三百七円というものをきめておる。ところで今度は一月から施行するんだが、十一月と十二月は諸君でも給與を與えなければならないということを認めておるはずである。一体三千七百円ベースでそのまま放つておくのですか。その間の差額をくれるのか、くれぬのか、どつちだ。
#192
○今井政府委員 御指摘のように年末にはすべての家計が膨脹いたしますので、その関係からベースは一月から施行されるにかかわらず、若干十二月に繰上げて拂う。こういう措置を講じた次第であります。
#193
○徳田委員 私の言うのはそうじやないのです。あなたの方では十一月から三千七百円ベースでは暮せないから、五千三百円ベースにすると言つたんだ。それを認めているんでしよう。ところが今度は一月からするんだ。そうすると、十一月と十二月は三千七百円ベースで食えなくても、餓死してもいい。それだけの足りないものは放つたらかしておけというんですか。理に合わぬじやないか。どういうわけだ。三千七百九十一円差があるんだ、二箇月で……。
#194
○今井政府委員 この五千三百円ベースによりまして、十一月と十二月に違いますものが約三千円でございますが、この三千円が今度の案では二千五百円で五百円ばかり減つております。しかしこれは先ほど申し上げました税の関係で、その差は二百円ばかりでございます。無論額が減つておりますが、一月以降におきましてその点はつつ込みますと、この前提出した案と結局同じことになるのです。要するに二百六十二億という同じわくの中で拂いますものでありますから、いくらどつちで拂いましても、結局それは同じことでございます。その点は種もしかけもございません。
#195
○徳田委員 大分ごまかしておるが、それはそれとして、大体公務員は民間の給與とは大分差があるようですがね、これを労働省の職員組合では、本年一月から十二月までの差を一万五千円と算定しておるが、政府はどうです。どのくらいに見ますか。
#196
○角田委員長 お諮りいたします。この際委員外発言として北二郎君……。
#197
○徳田委員 質問中じやないか。また蹴るのか。共産党は何でもみな、委員であつても発言を許さないのか。
#198
○角田委員長 錯覚を起して、政府委員が……。
#199
○徳田委員 いつもそうだよ。
#200
○角田委員長 政府委員の調べておる間、農民党の委員外の北君に発言を許すことに御異議ありませんか。
#201
○角田委員長 北二郎君。
#202
○北二郎君 農民党の委員がおりませんので、この際委員外として発言を許していただきましたことを、委員長初め各委員の方に厚く御禮を申し上げます。以下ごく簡單にお伺いいたしたいと思います。この新給與法案というものは、米價または一般物價はもちろんでありますが、特に米價と非常に重大な関係があると思うのであります。そこでお伺いいたしたいことは、御承知の通り三千七百円ベースでありましたそのときの米價、すなわち本年度の米價は一石三千五百円でありました。六千三百円ベースのこの法案が國会を通過した後、この一石三千五百円という米價は、当然すみやかに改訂せねばならぬと思いますが、政府はこの米價に対していかなる対策を持つつもりか。それから時間の関係上続けて申しますが、今度の予算におきましては、農村の水増し課税というものは実に八十四億くらいあつたと思います。もし政府におきまして米價を事実上このまま押えておくということになりますれば、農民はまつたく踏んだりけつたりのような状態になりまして、農民の生産意欲というものは、まつたくなくなるのであります。そこで生産第一主義をとられる政府はこの点一体どう考えておられるか、この点ともう一点は、給與の値上げ、それから米價一般物價と、順繰り順繰りに相互に値上りまして、結局は一つの確固たる基準がなければ、日本の経済は私は崩壊すると思つておるのであります。米價すなわち主食の價格を中心としておられるところの給與体系をおとりになる考えはないか。もし政府にそれがないとすれば、米價を改訂しないとすれば、官公吏さえ食つて行けば、農民はどうでもよいという結果になるのでありまして、政府は農民を無視することになるが、この点はどう考えておりますか。
#203
○大屋國務大臣 ただいまの御質問は、政府委員をして答弁させます。
#204
○北委員 非常にこれは重大な問題でありますので、大藏大臣からぜひとも御答弁を願いたいと思う次第であります。
#205
○大屋國務大臣 大藏大臣にと言われますが、実は專門的でわからないのであります。どうぞ御了承願います。
#206
○角田委員長 この際農林大臣に発言を許します。
#207
○周東國務大臣 お答えいたします。このたびの給與審議の改訂によりまして、官公吏のベースが上りましたことは御指摘の通りであります。しかしこの前の七月にきめました米價の中に織込まれておる賃金物價の関係には、直接に響きません。これが他の物價に対して響くということになれば、当然に來年の七月ごろには、これはスライドして変更する。しかもその前にきめた米價の中には、六月までの物價を織り込み済みであります。從つて今度の俸給水準の改訂によりまして、それが物價に響くということになれば、当然にスライドして変更して行くということになります。こういうことになつておりますから、御了承願います。
#208
○徳田委員 いろいろそつちの勘定がありますから、その勘定のある前に一つ聞いておきます。これは首切りの問題ですが、政府でも首切りを盛んに奬励しているようであります。いなかでも盛んに首切りをやつておる。これは徳島縣に現われた事実でありますが、これは人事院でひとつ返事してもらいたい。これによりますと、徳島縣では、昭和十七年十一月一日に発布された市吏員の分限規程によつて、どんどん首を切つておりますが、現在の地方自治法では、これは許さぬことになつておるはずです。その点はどうです。人事院はこれに対する監督の責任があるし、今後地方自治に関する公務員の規定をつくらなければならないのであるが、一体これはどういうふうに処理しますか。
#209
○上野政府委員 行政整理の仕事は、行政管理廳の所管でありまして、人事院は直接関係いたしません。
#210
○角田委員長 この際御報告いたします。先刻赤松勇君、高橋禎一君、平川篤雄君、水野實郎君、及び相馬助治君より、本案に対する日本社会党、民主党、國民協同党、社会革新党及び第一議員倶樂部、各派共同修正案が本委員長に提出されました。これは印刷物として諸君のお手元に配付いたした通りであります。
 この際暫時休憩いたします。
    午前二時五十三分休憩
     ――――◇―――――
    午前二時五十五分開議
#211
○角田委員長 質疑を続行いたします。徳田君。
#212
○徳田委員 人事院総裁にもう一ぺん質問を繰返しますが、これが首切りの問題で非常に重大である。首切りは勝手にはできない。それは地方自治法では、ちやんと首切りのことに関しては特別の法律を設けることになつておる。これは法律でなければ首は切られぬことになつておる。ところがこれが、新憲法以前の昭和十七年の十一月一日に出した徳島市の條例によつて、現在どんどん徳島では首を切つておる。重大な問題である。これに対して人事院はどう考えますか。
#213
○淺井政府委員 徳田さんの御質疑は、徳島市における事件だと私は思いますので、ちよつとさいぜん外出をしておりまして失礼をいたしましたが、それについては、人事院は建前としましては國家公務員を取扱いまするから、直接地方公共團体に命令したり、指令を発することはできませんでございます。しかしながら、その点については重大なる関心を持つております。そうして現在のところでは、すでに九名が復職をいたしまして、なお十何名かが復職し得る、こういうような報告を受けております。徳田さんのお手元に來ておりますのは違つておりますかしら……。
#214
○徳田委員 それは、そういうことはありますけれども、しかし法律上の見解として、人事院は、地方の公務員にもやはり例になりますから、だからして、國家公務員の決定が地方公務員にやつぱり影響するのであります。こういうときに、政府の役人は、公務員の、こういう新憲法以前のこういうやり方に対して、どう思われるか。これが効力があるかどうかということを明言してもらいたいのであります。
#215
○淺井政府委員 それが効力があるかどうかという法律問題は、私ここで御即答申し上げかねますが、その徳島市におきまして、そういう公務員が罷免せられたということは、私はたいへん遺憾だと思つております。これにつきましては、直接人事院が徳島市に対して云々ということはいたしておりません。しかしそれにつきましては、若干の努力をいたしたと思つておるのでございます。
#216
○徳田委員 官房長官はどう思う。そういうやり方に対して、あなた方首切りは非常にすきなんだ。あなた方は首切りの奬励がどんどん地方にも及んで行つて、無法無体な首切りをしておる。政府はどう思うのです。これは地方自治法違反なんです。どうするんです。官房長官答えてください。
#217
○佐藤(榮)政府委員 徳田委員のお尋ね、実は私別なことを考えておりまして、先ほどからのお話十分承つておらなかつたのであります。どうも大事なお話のような――整理の問題のようですから、十分詳しく伺つた上でないと、御答弁いたしかねます。
#218
○徳田委員 それなら今すぐに答えることはむずかしいでありましようから、あとで書面を上げますから、あなたの方から書面で答えてください。そうすれば明瞭になりますから……。
 それでもう一つ別のことを聞きますが、これは大事なことだから、ひとつ答えていただきたい。今度の寒冷地手当と、寒冷地の暖房の石炭のことでありますが、これは今度もらえないというと、非常にたいへんなことになる。これに対して政府は特別に何か考えておりますか。これはこの給與法案と非常に関連のある問題であります。給與法案ではそういうものを認めておりませんが、政府は一体どうしますか。
#219
○佐藤(榮)政府委員 寒冷地給並びに石炭手当の問題は、以前本委員会であつたか、あるいは予算総会であつたか、その祕密会において申し上げた通りであります。
#220
○徳田委員 これは一時的のもので、それをやるのはともかくとして、將來この寒冷地並びに薪炭料を要するところは、地域給で調整する計画はありますか。そうしないと、今年はそうであつても、將來こういう手当をすべてくれぬことになると、地域給の中にこれだけ毎月々々増してやらない限り、解決せられない問題であります。寒さはあなた方経驗があるかもしれないけれども、私などは網走でさんざんやられておる。寒冷地で火をたかせないでおくということは、死ねということと同じである。そういう点に対して地域給で処理するお考えはありますか。
#221
○佐藤(榮)政府委員 今御指摘になりましたごとく、この政府職員の新給與実施に関する法律の一部を改正する法律が制定されますると、この法律以外の処置は一切できないことになります。これは御指摘の通りであります。それで政府職員の給與につきましては、今後は人事院におきまして、十分実情を調査研究し、また時宜に適した勧告が政府に対してあり、あるいは國会に対してもあるのではないかと存じます。
#222
○徳田委員 この点は明確にしてもらいたい。たとえば北海道のごとき寒冷地においては、普通の生活費の中に、暖房費用を地域差に入れないということは問題にならぬ。暖かいところと同じわけに行かぬ。この問題を單に抽象的でなしに、地域差で操作するように規定を設けるかどうか。これが私は必要だと思う。その点をひとつ明確に答えてもらいたい。
#223
○淺井政府委員 人事院といたしましては、これは將來地域給として処理すべきものであろうという勧告をやつておる次第であります。
#224
○徳田委員 さてこれを最後に打切りますが、大体來年、事務員は三割、それから現業は二割、合計六十万人の首切りをすると言いますが、この首切りをどういう層でやるか、たとえば一級官は幾ら、二級官は幾ら、三級官は幾らということはきまつておりますか、どうですか。
#225
○佐藤(榮)政府委員 行政整理に関する所見は、先ほど來この委員会でお答えいたした通りでございます。
#226
○徳田委員 そうすると、何もないということですな。
#227
○佐藤(榮)政府委員 ただいまのところ何も具体的なものを持つていません。
#228
○徳田委員 それでは大藏大臣にお尋ねしますが、六千三百七円を実施するために三割首を切る。そうすると、大体全体のわくは、現在の給與のわくを一年に延ばして、そうして五千三百円ベースと同じようにこれを圧縮する計画ではないですか。首を切つて、人数を減らして、そうして個人の給與で少し延ばすという計画のもとに、この三割、二割を割り出しているのではないか、そういう無法のことはいけない。
#229
○大屋國務大臣 まだ詳細には計画しておりませんが、さようなことはないと思つております。
#230
○徳田委員 しかしそれならばあなた方は何の職には幾ら余つて、何の職には幾ら余つている。だからこれは整理するというのでなければならない。それでなければ合理性がない。科学性がない。ただむやみやたらにたたき切つてしまつては汽車も何も動かぬ。電車も何もめちやくちやになつてしまう。それをあなた方の計画は何だ。どこにどう余つているというのでなく、むやみやたらに二割、三割整理するということは、財政上の目的のために、一つのわくに当てはめようというのではないか。これが具体的だと言われるが、完全に余つているということを言わずに、どうしてそんなことが言えるか。そこのところをはつきり……。
#231
○佐藤(榮)政府委員 徳田委員にお答えいたします。政府は再三申し上げる通り、ただいまのところ具体的なものを持つていないので、具体的に何級は幾ら首切る。何級で幾ら整理するかと言われても、お答えできません。
#232
○徳田委員 それでは私の質問はこれで打切ります。
#233
○角田委員長 前田種男君。
#234
○前田(種)委員 私は年末調整金について、政府から明確に答弁していただきたい。これは野党各派の修正案が出ましたので、結論的には政府案が通過するか、修正案が通過するかわかりませんが、政府案が実行されるか、修正案が実行されるかは別として、この二つの案を対照して、年末調整金に対するはつきりした政府の方針、言いかえれば大藏大臣は、年末調整を分割調整するということを明確に言つておりますので、その線に沿うた答弁を明確にお聞きして置きたいと思います。
#235
○平田(敬)政府委員 年末調整につきましては、先ほど申し上げましたように、建前をかえるわけには参らないと思います。しかしながら年末差迫つておりますので、この際ある程度便法を設けまして、概算で年末分から調整して、過不足の分は來年の最初に拂う分から調整する。かような考えでおります。その場合におきまして政府案のごとく前拂いにいたしたのと、十二月からベースが上る場合におきましては、年末調整について、本年の総所得を計算する場合、その所得の中に本年分として繰上げ拂いされる分が入るかどうかという問題に差があるのでありまして、その結果負担の上におきましては、さしあたり増加になるかもしれないということは、先ほど申し上げた通りであります。
#236
○根本委員 この際質疑を打切りまして、ただいま上程されました三派共同修正案について提案者の説明を求められんことを望みます。
#237
○角田委員長 根本君の動議に御異議ありませんか。
#238
○角田委員長 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
#239
○角田委員長 よつてこれより修正案提出者の趣旨弁明を許します。松澤君。
#240
○松澤(兼)委員 赤松君が各派の共同提案者になつております。印刷物がただいまできて参りまして、お手元に差上げてあるわけであります。もはやこの時期になりましては、詳しく政府案と共同修正案とを比較して申し上げることもどうかと思うのであります。と言いますことは、最初政府が出しておりました五千三百三十円ベースの、政府職員に対する法律案につきましては、私ども種々なる意見を持つているのであります。しかし御承知のように野党各派におきまして共同修正の案が持ち上りまして、一週間以上にわたつて、主として人事院が國会及び内閣に対し勧告いたしました案を中心として、私どもはさらにこれより進んだ案を用意して参つたのであります。特に私どもはこの人事院の勧告案より進んだところと申しますのは、少くとも実施期日を十二月一日にする。また地域給につきましては、人事院勧告を訂正いたしまして、さらに勤務地の問題につきましては、各方面に相当の問題がありますので、人事院をしてこれに対する研究調査をなさしめ、成案を得たならば國会及び内閣にこれを勧告せしめて、國会が中心となつて勤務地手当の問題の、根本的な、合理的な解決をはかりたいと考えているのであります。また実物給與の問題につきましても、先ほど話がありましたように、予算及び法令で定められております実物給與は、給與から差引かないということにいたしたのであります。さらに、教育職員は、すでに法律によつて特別の俸給表をつくるということが規定せられているにかかわらず、今日まで教育職員に対する特別俸給表というものはできておらなかつたのであります。この教育職員その他特別勤務者に対する別個の法律案を十分に檢討いたしまして、將來特殊の職務に從事しております職員に対しましては、特別俸給表をつくりたい、こういう考えを織り込んでいるのであります。扶養手当につきましては、人事院勧告案をさらに訂正いたしまして、本給、勤務地手当、扶養手当その他において、一貫した、合理的な体系をつくろうと考えたのであります。ほぼ私どもの案が固まりましたときに、政府では、これまで頑強に固守しておりましたところの五千三百三十円という案を放棄いたしまして、六千三百七円の案を採用しようと考えたのであります。しかも私どもが毎日苦労をしてつくりましたこの案のほとんど大部分を政府案に盛り込みましたために、今日では政府案とわれわれの間には、大して縣隔がないという結果に相なつたのであります。ただしいてその区別を求めますならば、最もこれは重大なところであるのでありますが、実施時期を、われわれは給與の点については十二月一日よりこれを実施するといたしたのであります。また給與の月別計算におきまして、御承知のように政府の案とは相当の開きがあり、先ほど來問題となりました手取りの問題につきまして、われわれの考えておりますところの案の方が、確かにすぐれておるという考えを持つておるのであります。さらに給與の切りかえに関しますところの給與の支拂いの保障であります。この点につきましては、十二月分の給與は必ず十二月中に支給しなければならないという一項を入れたのであります。給與がせつかく法案の通過によつて六千三百七円という基礎が確立したにかかわらず、政府が種々なる事情やもしくは怠慢によつて、その支給が十二月より來年に入ることをわれわれとしては十分心配いたしまして、必ず十二月中にこれを支給しなければならないという規定をここに挿入したのであります。さらに、勤務時間の最高限を越える勤務につきましては、政府案にこれが盛つてあるのでありますが、私どもの案はこれを省いているのであります。
 これを要しますのに、私どもがこの修正案をつくりましたその根本的な理由は、政府が最初提出いたしました五千三百三十円のベースによる俸給の切りかえにつきましては、その案が何ら具体的、科学的、合理的な根拠のない、まことにその場限りのものであるということに、私どもは非常な不満を持つたからであります。少くとも政府職員の團結権あるいは團体交渉権、團体行動権が制限せられているこの事実にかんがみまして、政府は政府職員に対する福祉と利益について十分な保護を與えなければならない義務を負わされているのであります。私どもは、國家公務員法の改正にあたりまして、給與の予算とは一体不可分であるということを主張して参つたのであります。しかるに政府は可分であるかのごとく強弁いたしまして、國家公務員法がようやく議会を通過しようとする先月の二十九日に、形ばかりの予算を提出いたしたのであります。しかもその給與法案というものは、本月に入つてからようやくわれわれの手元に配付せられているのであります。その法案の内容のずさんであることは先ほど申し上げた通りであります。少くとも私どもは、人事委員会あるいは人事院というものが、法律の根拠に立つて設立いたされました限りにおきましては、人事院が政府職員の給與の問題について責任を負い、政府に対して勧告をし得るというその権限を十分に生かしまして、この勧告を尊重することが、政府及び國会の最も大切な権限であると考えまして、この案を中心として檢討して参つたのであります。ここに私どもは新しい給與制度の確立の一つの土台をつくり上げたのであります。國家公務員法によりますところの、ある意味における各種の行動の制限が、この給與制度の確立によつて、幾分でもカバーできることがありましたならば、私どもとしてはまことに幸いであり、かつまた、かくのごとき合理的な給與の基礎というものをつくり上げることが、將來のわが國における民主主義的な運動の、一つの重大なキーポイントになるということを私どもは考えているのであります。從來大藏省、あるいは給與局、あるいは主計局、こういうところにおいて、自分たちが金を持つておるということのために、官僚制度を温存せられまして、高級の者に厚く、下級の者に薄いというでたらめな給與制度というものが、今日まで行われておつたのであります。これは根本的にわれわれは解消をいたしまして、下に厚く上に薄いという合理的、科学的な給與の制度を確立する、これがわが國における民主化の最も大きな目標であり、これをもつて從來から支配的でありましたところの、封建的官僚主義に対する一つの打撃といたしたいと考えておるのであります。
 以上の理由によりましてわれわれは共同修正案を提出いたしました次第であります。委員各位におかれましては、十分両案を比較されまして、少くともわれわれは政府案よりすぐれておると考えております共同修正案に御賛成あらんことをお願いする次第であります。
#241
○赤松(勇)委員 この際動議を提出いたします。ただいま野党側から提出いたしましたいわゆる修正案は、大体先般の政府の提出法律案に対する質疑等と関連いたしまして、大体そういう点で明確になつておると思うのでございますから、この際質疑を打切つて、ただちに討論に入られるよう要望します。
#242
○根本委員 野党三派の修正案は、ただいまこの席で上程されただけであります。この問題につきましては各党ともおのおの党議にかけて、これを決定しなければならないものであります。わが党におきましても、これはただいまここに列席しておる委員だけが承知したのでありまして、これを党議にかけるために、この際約一時間の休憩をお願いいたしたいのであります。
#243
○角田委員長 赤松君の動議に御異議ありませんか。
#244
○角田委員長 赤松君の動議に御賛成の方は御起立を願います。
#245
○角田委員長 起立多数。よつて質疑は打切りました。
 この際……。
#246
○角田委員長 これより原案及び修正案を一括議題として討論に付します。討論は討論通告の順序によつてこれを許します。淺利三朗君。
#247
○淺利委員 私は民主自由党を代表して、政府原案に賛意を表するものであります。
 第一にこの野党修正案なるものはただいま上程されたばかりでありまして、詳細にこれを檢討しておりません。これに対して比較檢討して精密なる批判を下すことの余裕を持たないのを遺憾とするのであります。しかるにその時間を與えずして、ただちにこれを討論に付するということにつきましては、われわれの立論の基礎においてはなはだ遺憾の点が見出されると思うのであります。
 ただただいま提案者の説明及びこれを散見的に拜見いたしますると、政府案と野党の修正案は、大体においては接近いたしております。しかしながらその一、二異つたる点を見ますと、勤務時間の点においては、政府案におきましては一週間四十時間を下らず、四十八時間を超えざる範囲において、勤務時間を政令をもつて定める、こうなつておりますが、野党修正案においては、從來の慣行によつてやるということであります。人事院案の本來の趣旨は、公務員の勤務の能率をあげるところに一つの主眼があり、またこれが一般の民間勤労者との時間の上の均衡において、ひとり官吏だけが短時間において勤労して、相当の額を支給されるという不均衡を是正するというところの、理論的根拠に立つておると思うのであります。ただこれは一方におきましては公務員の給與の利益の点から見ますれば、野党の修正案はまたこれを是認してもよろしい点があるのであります。ここにただわれわれが疑いを持ちますことは、給與の予算は、総額において二百六十二億円のわくが設定されております。もしこの勤務時間を從來の慣例によつて、一週三十三時間ないし三十六時間を基準に置きますると、結局超過勤務手当が非常に高額に支出されなければならない。そういたしますると、これを大体において計算いたしますと、三十億円の不足額がそこに生じて來るという見当がつくのであります。この予算との調節をいかにするか。ただ法律の上においては、こういう公務員のために利益になる目標をかかげましても、この実施の上において、予算の制約のために、結果においてはあるいはこれらの実現不可能にあつて、結局において四十時間以上にならなければならぬというような場合も生ずると思うのであります。これらについては野党の方々が、予算の面においてどういうふうに考えておるか、そういう点についてわれわれは多大の疑問を持つておるのであります。またそのほかの点におきましても野党の修正案は、超過勤務時間の一時間あたりの支給の割合、その他においてあるようであります。これを要するに大体において大なる差異はないのでありますけれども、われわれといたしましては、この予算の総額のわくに制限されております。また支給時期におきましても、政府案においては一月一日を目ざしております。野党の修正案は十二月一日をもつて実施期間としておりますが、十二月としますと、自然税の年末調整の上において差引かれる額が多くなりまして、結局この年内におけるところの公務員の收入は、かえつて減るという結果も生ずるのであります。それらの理由をいろいろ勘案いたしまして、私どもに野党の修正案に反対し、政府の修正案に賛成の意を表するものであります。
#248
○角田委員長 菊川忠雄君。
#249
○菊川委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案の野党諸派の修正案に賛成をいたします。私が賛成をいたしますところの理由は、政府案とそれに対する修正案を比べてみます場合において、重要なる相違点が二点あるのでありますが、その二点を中心に見ます場合において、いずれも野党側の修正案がきわめて合理的であるという点にあるのであります。
 その第一の点は、修正案で申しますれば、附則三十三條におけるところの支給の方法であります。これに対しては先ほど質問の際にも申し上げましたように、政府は一月一日から六千三百七円ベースをもつて支給するというのでありますが、修正案は十二月一日から六千三百七円ベースをもつて支給する、こういうのであります。この二つを比べてみます場合において、最も重要な点は、これによつて十二月の一日から、明確に六千三百七円ベースという給與水準が確立をする点であります。このことは單に官公廳の從業員の諸君の給與が、十二月一日から水準を明確にするというばかりでなしに、民間の今日起つておりますところの各般の爭議に対し、あるいは民間の今後の労働問題に対しても、明確な基準を示すことになると思うのであります。この点はもちろんわれわれは官公廳の給與水準が上る結果、これが民間給與水準を高めることになるとは断じて考えておりません。この六千三百七円ベースの算定の基礎というものは、あくまでも一方においては理論並びに実態の生計費を基礎といたしておりますけれども、一方におきましては、國民の所得の水準を基礎として決定をされていることは明瞭であります。從いまして國民勤労所得の水準において、その最低限を與えたものが、今日の官公吏の給與水準でありますから、このことは言いかえまするならば、國民の水準において官公吏の最低生活を確保する。そうしてできるだけ家計の赤字を解消する。こういふ方針に出ておるのであります。でありますから、このことが逆に民間給與を刺戟するということにはならないのであります。であるにかかわらず政府は、この六千三百七円ベースを十二月から一月に延ばすことによりまして、当面起つておりますところの重要産業の爭議、こういうものについて、やはり從來の三千七百円ベースをもつて臨もうとするところの方針が見えるのであります。かようなことをもつていたしますならば、当面の重要産業の爭議は解決しない。のみならずかりに一時的な便法をもつて解決いたしましても、根本的には解決いたしておりませんから、來春以後においてより大きな波紋を起すことは明瞭であります。かような民間における紛爭と、この給與ベースの両方をかけ合せてやつているという点をみます場合においては、この結果というものは、ひいては大きな産業上に影響をもつということを恐れるのであります。さような点から考えましても今日六千三百七円ベースを、この十二月一日から実行するということは、きわめて妥当であると考えるのであります。さらに今日われわれが差迫つております内外の情勢を考えます場合において、少くともこの給與水準が、十二月一日からすでに現実に実行されているということを法案の上において示しますことは、これがややもすれば官公廳の、年末を控えていろいろの不安の中にあります際において、一つの安定感を與えるところの材料になるということを考えるのであります。いわんやこの給與の結果からみますならば、先ほど政府案を支持されるところの御意見の中にもあつたようでありますが、たとえば十二月年末調整を対象として考えた場合において、なるほど当面二百八十円ほどの手取りが殖えるかのごとくでありますけれども、しかしこれらのことは、個々の額にいたしますれば、きわめて僅少であります。かような程度のことは、実はこれを他の方法をもつてやりくりし得るところのものであります。それよりも重要なことは、この三月までの全体を通じまして、それに上まわるところの三百八円というところの増收がある。こういうところを考えましても、こういうことのみをもつて、そうしてこの十二月一日から、あるいは一月一日から、みんな支給するものであるかというようなことを論断することは、材料にはならぬとわれわれは考えるのであります。私どもはそういう点におきましてわずかの相違でありますけれども、今日精神的に大きな効果を持つておるということを考えますがゆえに、この十二月一日から実施する。それに伴つてその月割の方式が多少かわつて來るということにつきましては、やむを得ないのでありまして、われわれはこれを妥当と考える次第であります。
 次に政府案と修正案の違いは、政府案におけるところの三十二條、すなわち四十八時間以上を超えて現在勤務をしておるものを、そのまま慣例として認めるという規定でありますが、これは修正案においては削除をいたしております。このことにつきましては先ほど私が質問の際にも申し述べましたごとく、十九條において現に四十八時間制を嚴格に守るという方針をとりながら、しかも一方においてかような拔け道を置くということは、法の建前からいたしまして、きわめて不徹底であります。のみならずこのことは、今日日本が新しいところの労働基準法をもつて立ち上り、將來の國際的市場に対処しようとする場合におきまして、労働の部面においてもまた國際的信頼を得るところの態勢をとらなければならないのであります。われわれはかつて昭和八年、九年のころにおきまして、日本の紡績産業が海外に発展をいたした際に、その製品があるいはランカシアの市場を襲つた。そういう結果諸外國から、いわゆる日本商品排斥のソーシャル・ダンピングの運動が起つたことは、今日なお記憶に新たなのであります。そのときの理由は、実際の理由がどこにありましようとも、社会的に世論となりました大きな根拠というものは、日本が長労働時間、低賃金をもつて、いわゆるソーシャル・ダンピングをやつておるということが、日本商品排斥の根拠であつたのであります。われわれは今後世界に対して輸出國とし、貿易國として立とうといたします以上は、どうしてもこの基準だけは絶対に守らなければならぬところの基準なのであります。しかるにこれが今日政府案においてあるということは、はなはだもつて今日の時代逆行的なものであるとして、われわれは遺憾とする次第であります。でありますからこの点につきましては、いかなる困難がありましようとも、この原則だけは確立しなければならない。そのためにはこの三十二條というものは、絶対に容認のできない條項であるとわれわれは考えるのであります。いわんやこのことによりまして、いずれ將來政府が企てるであろうところの行政整理におきましても、必ずやここに拔け道を見出すことは必然であります。今日労働基準法を明確に実施し、そうして眞に科学的な、そうして民主的な、能率的な管理をいたそうといたしますならば、どうしても四十八時間の限度において行われなければならない。これをこのまま、置いておきまして、しかもそれに手を加えないで行政整理をやろうというようなことは、断じてわれわれは容認することができないのであります。こういう点からいたしまして、この條項に対しましては、修正案はこれを削除いたしておるのであります。この点につきまして先ほど民自党の政府案賛成の意見を聞きますと、超過勤務手当がこのために非常にかさむ、それが約三十億に達するであろうというお話を伺つておるのであります。ところがこのことは給與予算と関連して、非常に困難を來しはしないかというお話でありますが、これは御承知のごとく、給與予算はここにありますところの俸給と、そうして扶養手当と、地域手当と、それに特殊勤務手当、これを含んだものが給與予算の全額であることは言うまでもないのであります。その額を押えて追加予算内におきましての事務処理でありますからして、そのわくとそうしてそれ以外の超過勤務手当というものは、別個の財源であることは私が言うまでもないのであります。でありますからこの超過勤務手当は、当然これは事業場に附随し、それぞれの必要に應じて取組まれておるところの予算であります。これがいかに増加するかということは、もちろんわれわれは考えておるのでありますけれども、その額が三十億であるか、あるいはそれ以下であるか、いずれにいたしましても、これには当然相当の必要ということによつてふえるところの作業量が、つきまとつておるわけでありますから、われわれは必ずしもこの予算総額のみをもつて論断することはできないと思うのであります。いわんやこの三十二條削除は、当面原則として絶対にこれは認め得ないところの條項であるから削除するのであります。これを実施するにあたりましては、必ずしも一月一日から全部的に実施を要するものではないのであります。またこのことは実際において全部的に徹底をいたしますためには、おそらくこの点は一年かかることは当然であります。でありますからして、かような原則、これが確立いたしますならば、明年度予算編成におきましては、こういうものは当然含まるべきものと考えるのであります。そういう点におきましてこれは認めてはならないところの原則でありますから、これも認めることはできないのであります。そういう点から申しまして、われわれはこの修正案は他の部分におきましては両方ほとんど同じでありますが、この二点におきましては絶対に修正案が合理的であるということを、われわれは主張するのであります。
 その他の部分におきましては多少字句その他の点において違つております。しかしながらこれは、一々われわれがつくつたところの修正案を途中から政府が盗んで、そうしておつくりになつたものでありますから、これは似通つておるのは当然であります。ただ違つておるのはせつかくわれわれがよりよきものを努力いたしまして、たとえば勤務時間におきましても、最低の現行勤務時間を中心として、そうして合理的に一歩々々改善しようといたしましたに対し、これをやはり四十時間をもつて制限をする、あるいは超過勤務制度にいたしましても、われわれはより簡明にして、そうして合理的なものを考えておりましたけれども、これもやはり労働基準法のその線に引下げる。労働基準法はそれ以上であつてはならないというのではないのでありまして、少くとも公務員制度が布かれて、労働基準法によつてやり得る分がありましたならば、政府は最大の熱意をもつて、それ以上に努力すべきものはすべきでありますが、こういう点は引下げる、つまり予算をなるべく使いたくないという理由のもとに、そうして今日の改正案をより政府の意図に近づけたいという、それだけの問題のめたに、惡くした部分が多少あります。しかしながらこれらのことは、やむを得ず今日に至りましてはわれわれの修正案として取入れてあります。そういうわけでありますから惡くなつた点は、これは政府の努力によつてそうなつたのであります。しかしその部分も取入れてわれわれの修正案といたしておるのであります。この点が改正の点として遺憾ながら政府と異なるのであります。こういう点においてわれわれは修正案を支持するのであります。
#250
○角田委員長 川崎秀二君。
#251
○川崎委員 民主党は政府修正案に反対し、野党各派共同修正案に賛成であります。理由は本会議で申し述べます。
#252
○角田委員長 平川篤雄君。
#253
○平川委員 國民協同党は原案に賛成して、野党修正案に賛成をいたします。われわれが社会、民主両党の同僚議員とともに、旬日を越ゆる、まことに言うに耐えない審議の結果、今日まで持つて來たのでありますが、そのいきさつにつきましては、また政府案との違いにつきましては、ただいま社会党の委員の方から討論をなすつたので、私はこれ以上申し上げないつもりでございます。ただ私この際立場を明らかにしておきたいと思いますことは、官廳職員の六千三百七円のベースを、絶対に確保したいと考えましたが、残念ながら予算のわくに縛られまして、一月、二月において特別な支拂方法によらざるを得なくなつたことを、はなはだ遺憾に存じている次第であります。この際やむを得ずなるべく早く六千三百七円のベースを確立したいという意図をもちまして、政府案の一月よく実施するという案に対しまして、われわれは十二月一日より実施するという立場をとつたわけであります。
 次に從來長く官僚制度の一番根本でありました給與制度をこの際改革をいたしまして、人事院に多くの権限を與えることになつたのでありますが、私どもはこの際人事院に対しまして、多くの難問題が山積していることを、特に考えていただいて、今後勇敢に給與制度の持つております幾多の欠陷というものを、解決していただきたいということを、強く要望して置く次第であります。
#254
○角田委員長 水野實郎君。
#255
○水野委員 私は社会革新党を代表いたしまして、ただいま上程されております給與案に対しまして、すなわち政府案に反対、野党合同修正案に賛成するものであります。種々菊川委員より御説明がありましたので詳細は省略いたしますが、ただ本案はきわめてわれわれには不満のものがあるのであります。この年末に際しまして多くの公務員諸君が、困窮の上にも困窮を重ねておられるように見受けられますので、この際われわれは一日も早く給與の渡ることを念願するものでありますがゆえに、今日は私は野党修正案に賛成するものでございます。
#256
○角田委員長 館俊三君。
#257
○館委員 私は労働者農民党を代表いたしまして、政府が原案を修正して出したという修正案に反対をいたします。さらにその政府が出した修正案をさらに修正したところの、社党の提案する修正案、これにも反対をいたします。その理由は、私は現内閣が成立いたしましてその劈頭に言われた事柄は、この議会は公務員法を通したならばすぐ解散するのだということを表明されたということに対して、野党は公務員法と同時に、給與ベースを含んだ予算を審議すべきものであるということを猛烈に申しました。それが容れられたとたんに、政府は大急ぎで二十九日に臨時的に予算を提出いたしました。私はこの経緯にかんがみまして、その臨時に提出された予算を、政府が公務員法と同時に審議する建前で、最初から正確に予算をつくつておつたならば、こういうおかしな給與ベースなんかでき上らなかつたのではないかと考えるのであります。そうしてそういうことのために北海道の石炭手当、あるいは全國に及ぶところの寒冷地給が、すでにその前の内閣においてきまつておつた、また現在の政府自身もそれを呑んでおつたにもかかわらず、それが遂に切り捨たられてしまつたということも、早急のうちに議会対策として予算をこしらえ上げるというような、不誠意に予算の作成の仕方が、その筋へ持つて行つてあらゆる難点を持ち込まれた点ではないかと、非常に残念に思うのであります。私たちはもとより七千三百円のベースが、現在の結與水準においては正しいものであるという確信を失つておりません。しかしそういうどたんばになつて参りましたので、議会の各党の勢力を考えまして、われわれの主張する七千三百円は、勢力の分野からとりがたいことを考え、さらにまた現在の財政が、保守的性格を持つておる財政でありますがゆえに、どうしてもそういうことのために、われわれの主張する予算の捻出ができないということを考えておりますがゆえに、われわれは七千三百円ベースの確立をしたいとは思いながらも、如上の條件のもとに、どうかして困窮した官公労組のために、少くともその線に近い線をどうしたら確保することができるかという建前から、野党の各派が一致し得るところの線をにらんでおつたのである。ところがその線が人事院案の六千三百七円、しかも十一月一日から支給ということで、いろいろの財源を考えて野党各派が一致点を見出したので、その線において、多少なりともこの年の暮れの困窮した勤労者にゆとりを與えたいという氣持から、それに協力をいたしておつたのでありますが、不幸にして現在のような形になりまして、政府案と野党案と多少の差はありますけれども、正月一日から六千三百七円をくれる、あるいは十二月一日から六千三百七円をくれるといいましても、それが三千七百九十一円との差というものは、わずかに二千円か二千五百円しかもらえないのであります。去年の暮れにおいては、二・八箇月の年末の補給金をもらつておるのであります。今年はベースが高くなつたといつても、物價その他が非常に高騰しておりますために、去年の二・八箇月に比べて、今年わずかに二千円なり二千二、三百円の増額がありましても、この年の暮れは労働者は実に暮せないのであります。私自分の話をいたしましては済みませんけれども、私も一箇の労働者上りとして、わずかにここの歳費のみによつて、私はここの生活をし、函館に家族の生活をさせておるのでありますが、その家族の近くにおる鉄道職員が石炭が買えない。配給物の五百円か六百円の出す金がないと言つて、私の家内のところへ來るそうであります。そこでない金を五百円か六百円二三人に預けてやる、そうするとその人たちは、給料を二回にもらつているのですが、そのときにその借りた五百円なり三百円の金を私の家へ持つて参りまして、給料をもらつたのでこれだけ持つて來ましたからとつてください、しかしこれをもう一度このままお預かりできませんかというのが、今年の七、八月から現在に至るところの姿である。私はそれを考えて、でき得るならば、党の立場を捨てても六千三百七円だけでものみたいと思つて、いろいろ野党と協力いたしましたけれども、その結果十二月に六千三百七円、あるいは正月に六千三百七円で、それを少し十二月に借り越してこようという案に至つては、とうていこれでは食えないのでございます。非常にさんたんたる光景であります。現在も院外においてある省へ千人くらいの労働者が集まりまして、今晩がそのきまる最中だというわけで、非常に悲痛な形でやつて來ております。それはいつもの悲痛な形と違つて、何とかして一日も早く金がほしいという、そういうことなんです。ここの新館に十人ばかり集まつて、ある省の役人をつかまえていろいろやつております。それも元のデモのように、がんがんやるんでなくて、どうしてくれるかということであります。今日これを賛成するわけに行きませんのは、政府案にきまりましても、野党案にきまりましても、この現実の窮状にはちつともかわりはない。かわりがないならば、それにはほんとうにこの七千三百円が正しくて、これでなければ食えないという一ページを、この議会の速記録の中に残して置きたいという念願なのであります。もちろん彼らも七千三百円がほしいと言つておりますけれども、現実においてそれを言わないで、今でも二千円でも三千円でもほしいというほど困窮しておる。もう少しゆとりがあつたら、彼らは七千三百円の旗を立てて、ここに押し寄せて來るでありましよう。しかしそれさえ力がなくなつておるということを考えていただいて、あなた方はこの予算を盛る時分に、野党から攻め立てられて、この六千三百円案をにわかに持つて來たという失敗そういうことをなさらないで、よくこの事情を考えてください。公務員法で爭議もできない、ストライキもできない。政令二百一條で地方公務員はしばる。そうして家庭が困窮のどん底に陷つてどうすることもできないときに、議会に訴えて來ようとすれば、選挙の投票だけの権利はあるけれども、議会に、合法的に、われわれの主張を主張すべく、町で鬪うすべさえ公務員から奪つてしまつておる。訴えるに所なしというのが、今の全官公の姿ではないか。私たちだけでもいいから、この席上で、七千三百円、これでなければ食えないのだということを、ここで言わなければならぬ。これは全官公労が今少しでも金がほしいから……。そうして七千三百円を主張し得ない人もあるかわりに立つて、私はこれを主張しなければならない。そういう意味において、私はこの法案をこれだけまでに仕上げられた努力に対して敬意を表しますけれども、私はそういう意味において、この両法案には絶対反対いたします。
#258
○角田委員長 相馬助治君。
#259
○相馬委員 私は第一議員クラブを代表して、政府原案に反対、野党各派連合提出の修正案に賛成の意見を申し上げます。最初われわれをして言わしむれば、ほんとうにぎりぎり一ぱいの最低線であると思われるところの人事院の勧告、すなわち六千三百七円案すら無視して、五千三百三十円で食えるのだとうそぶいていた態度を、がんとしてかえなかつた政府が、いわゆるこのたび諸般の事情に押されて、政府の修正案、すなわち現在の政府原案になつたということに対しましては、その努力に対してこれを認むるにやぶさかでありません。しかしこれははつきり申せることは、民自党とかあるいは現政府の方でなくて、あげて野党各派の、眞摯なる努力であつたということを、ここに銘記すべきだと思うのであります。そういう観点から申しましても、私は野党各派提案の修正案がりつぱなものである、満足なものである、こう申すのではありませんけれども、比較しての問題として、この方がより合理的であることを認めるものであります。ただいま館君がるる大演説をなさいました。まことにその通りであります。その通りでありまするがゆえに、私はこの際一切議論を抜きにして、率直に、素朴に、現在年末を控えた國家公務員の多数の者が生活苦に悩んでおるという、かかる現実から推しまして、次の機会により、妥当なる根本的修正をなすべきであるということを、お互いが心から確認し合うことによつて、本案に、すなわち野党各派連合の修正案に賛成するのであります。
 特にこの際私は声を大にして申さなくてはならないことは、今日まで荏苒日をむなしゆうして、本日ここに本案の審議が完了するというこの現実を見るときに、私は最高の権威を持つと言われておるところの、この日本の國会のなさけなさをしみじみと思います。そうして敗戰日本の國会議員というものが、まことに無力であるということを、國民の前に私は痛烈に恥じます。かかる観点に立ちまして、私ども第一議員倶樂部は、政府原案に反対し、そうして近い將來においてなお一層努力するであろうということを誓いながら、野党各派連合提出の修正案に賛成を表するものであります。
#260
○角田委員長 徳田球一君。
#261
○徳田委員 私は共産党を代表しまして、政府の修正案はもちろんのこと、野党の修正案も徹底的に反対するものである。共産党が金があるかないかは別の問題であつて、この法案は、どだい公務員法で公務員の権利をまつたく剥奪して、おりの中へ入れている奴隸みたようにしておいて、そうしてこの案でもつて、この給與でもつて一体食えるかどうか、絶対に食えはせぬ。そればかり言うと言うても、食うということが大事である。食うことなしにどうして生きるのだ。死んでよくすることはできない。死なない前によくしなければならない。現に死につつある。死につつあるから、ちやんと労働者の主張するように、八月から七千三百円、手取りでなければいかぬ。そうしてこの年末には調整があるために、どうしても二・八の補給金はとらなければだめだ。正月の配給でも何でも、こんなものでもとれはしない。共産党だろうが何だろうが、生きておる人間である以上、正月をするのはあたりまえである。何で惡いのだ。よけいなことを言うな。そういう点において、この給與案というものはまつたくこれは奴隸給であつて、人間らしい給料ではない。しかもこの給與法案が最も惡質であるのは、一方において徹底的に労働強化をし、他方においてはとき至らばいつでも現物給與を削り得る、そういう建前になつておる。法律と予算と削りさえすれば、いつでもこれは現物給與を今のあれではなしに、これを給料に切りかえることができるのである。そもそもわれわれの生活においては、社会的な施設によつて、でき得る限りこの生活を豊富にすることが必要である。しかしながら現物給與といい、その他といい、これは一つの社会的な保障であり、これがいよいよますます多くなればなるほどよい。そういうことが社会進歩の原則である。そういうものを取去るということは、社会的な発展の方向から言えば、これは逆行するものであり、非常に反動的である。そういうことをおくめんもなくこの給與法案に出すに至つては、民主主義を徹底するとか、完遂するとか、そういう言葉は泣いてしまう。そんなばかげたことはあるものではない。一方において社会保險が要求され、そうして失業保險も含むところの社会保險と一般に言つて、社会的な福利を増進することが要求されながら、ここでは逆の方向が現われておるということは、いかにこの給與法案が反動的であるかを示すものである。
 さらにわれわれが言うておかなければならぬことは、勤労所得税の今の方式というものは、給料が上れば上るほど累進的に上るそのために、この勤労所得税を廃止しない限り、單に名目的に上つてもいくらもよくならない。物價が上る。これは給料を上げなければならぬ。そのとき詰つてくるのは勤労所得税である。この年末の調整あるのも勤労所得税である。正月に詰るのも勤労所得税である。しかもこの勤労所得税は、われわれが食う前に給料の中から取去つて、さあお前たちはこれで食え。死のうが生きようがかまわぬ。こういう惡税がどこにあるか。これは世界一の惡税である。この惡税を伴うこの給與法案に対しては絶対反対しなければならぬ。そういうものは一刻も早く撤廃することを條件として、給與法案というものはつくられなければならぬが、それにもかかわらずこれには一指も触れていないということは、この給與法案がいかに反動的であるかを明確に示しているものである。
 さらにこの給與の非常に劣惡であるのは、政府も十一月から給與を上げねばならぬということを認めておきながら、この給與法案は十二月もしくは一月から施行されるようになつている。政府でさえそう認めている。六千三百七円に上げるならば、なぜ十一月から上げないか。われわれの主張から言えば八月から上ぐべきである。それがだんだんずれている。從つて総額はちつとも違わない。このやり方から、やがて來るべきものは、財政上の必要から賃金を上げるごとに首切りが必ず始まるということである。現にこの六千三百七円の賃金は、きつとこれは首切りが伴う。民自党が言うている。これは六十万人の首切りをやる。この給與と必ずくつついて首切りをやる。たとえば、これは野党の修正案によつて幾分かよくなるという。これが九億といい、あるいは十億というけれども、これをさえ予算を増加せずにやるという。それは何であるか。首切りである。首を切つて、これだけのものを整理してやるという、そういう氣持がちやんとある。そういう條件がこれはくつついている。だからこの給與法案は、同時に首切り法案であることは明確である。だからわが党は絶対に反対する。わが党は労働者諸君が支持しているところの、七千三百円手取り八月から、しかもこれをスライドすべし。二・八の年末給與は必ずこれを支給すべし。首切りは絶対相ならない。労働強化も相ならない。從前通り一切の既得権はすべてこれを確保して、この権利伸張せしめることにおいてのみ、初めて労働者の生活は保障され、日の経済の復興を保障し、世界平和を保障するものである。かくのごとくして、食えないことを強制するものは、経済を復興するものではない。経済を破壞するものである。そういう意味において、わが党は絶対これに反対するものであります。
#262
○角田委員長 これにて討論は終局いたしました。この際暫時休憩いたします。
    午前四時十分休憩
     ――――◇―――――
    午前五時五十四分開議
#263
○赤松(勇)委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。
 この際お諮りいたします。先刻委員長は暫時休憩する旨を宣して本委員会は休憩となつたのでありまするが、委員長は休憩の理由につき、用便のため休むのですぐ開く意思を表明いたしました。しかるにその後委員長は本委員会に姿を現わさず、よつて理事会の決定により、委員課を通じて委員長の所在を探させましたが、委員長の所在が不明であることが明らかになりました。現に委員長のカバンはこの委員長席に置いたままになつており、休憩の理由から見ても、委員長に再開の意思があることは明瞭であります。よつて今の事態は衆議院規則第三十八條の、委員長に事故が生じたものと認めざるを得ないのであります。ここに理事の私は委員長の職務を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。
#264
○赤松(勇)委員長代理 御異議なしと認めます。それではこれより私が委員長の職務を行います。
 これより採決を行います。赤松勇君外四名提出の共同修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
#265
○赤松(勇)委員長代理 起立多数。本修正案は可決されました。よつて政府原案は本修正案の通り修正議決せられました。
 この際お諮りいたします。衆議院規則第八十六條によりまする本案に関する委員会報告書は、先例によりまして委員長及び理事に御一任を願いたいと思いますが、これに御異議はありませんか。
#266
○赤松(勇)委員長代理 御異議なしと認めます。よつて委員長及び理事に御一任をいただくものと決しました。本日はこれにて散会いたします。
    午前五時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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